会場へ入り、新郎さんたちとハイタッチを交わして踊りに入る。
 そこからはもう無我夢中だった。

 驚く新婦さんへ、おめでとうの気持ちを精一杯こめて踊る。
 時折周りを見渡すと、みんな笑顔でこの空間を楽しんでいるのが分かった。

 さっきまで不安そうな表情を貼り付けていたあいも、弾けんばかりの笑顔を浮かべている。
 結婚式という、人生で一度しかない幸せの舞台。
 そこに6人で立てたことに感慨深い物があった。

 俺はその幸福を目に焼き付ける。
 一秒でも長く残しておけるよう、まばたきを止めて。


 無事撮影を終え、お二人にお祝いの言葉を伝える。
 みなさんにもサプライズに協力いただいたことへの感謝を告げ、会場を後にした。

「元さん、タオルちょうだい。」

 ニノがマネージャーの元さんに声をかける。と、すぐにタオルが用意された。

「ほら、泣きな。」

 優しく微笑むとあいの顔にタオルを当て、そっと抱き寄せる。

「ニノ……。」

 その言葉が合図だったかのように、あいが泣き崩れた。

「感動したんだろ?」

 ゆっくりと背中を撫でるニノの腕とは対照的に、激しく上下する肩。
 ニノの言葉に同意するように頭を縦に振りながら、タオルを握りしめる。

「分かるよ! 俺も泣きそうになって、必死で我慢したんだから。」
「相葉くんもタオルいる? 笑」

「いや、俺は翔ちゃんのジャケットで拭くからいい。笑」
「何言ってんの! 衣装買い取りになっちゃうじゃん!」

「あい、頑張ったね。」

 俺たちの会話を笑いながら聞いていた智君があいの頭を優しく撫でる。
 目を真っ赤にしているものの、涙は止まったあいは顔を上げて恥ずかしそうに微笑んだ。

「最後、新婦さんが新郎さんに抱きつくところで感極まっちゃって。」
「確かにあれは二人の絆を感じたよね。」

「俺も新郎をはじめ、友だちの頑張りに感動した。」
「二人のためならっていう思いの強さにグッとくるよね。」

「いやー、ホントにいい式だったね。」
「結婚したくなった?」

「したくなった!」

 智くんの言葉に大きく頷いたのは、さっきまで泣いていたあい。

「絶対幸せだよね。好きな人とずっと一緒にいる始まりの日だもん。」

 頬を染めて夢見るように語るのは、嵐の一員ではなく、年頃の女の子の顔だ。

「相手いんのかよ。笑」
「うるさいな、潤くんは。夢くらい見させてくれたっていいじゃない。」

 さっきまでの幸せそうな表情から一変し、頬をふくらませるあい。

「あいにはまだ早い!」
「だな。まだ嫁にはできない。」

 俺は智くんに同意する。今はまだこの幸せな時間が続くことを願ってしまう。

「嵐のお父さんとお母さんが言ってるんだから、まだダメだな。」
「いつになったら許可出るんだろうね。笑」

「ま、当分無理だな。」

 松潤の言葉に一名を除いて、みんな大きく頷く。

「なんでよー!! でも、まだみんなと一緒にいるのが一番かな。」

 首を傾げて微笑むあいを見つめる俺たちは、安堵の笑顔を浮かべた。
 俺たちはこれからも共に歩んでいく。その時が来るまで。


 まばたきを止めて刻み込む、この幸せの時間が続きますように。

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