「「「「「「失礼しました。」」」」」」
挨拶をして楽屋を後にする。口を開くのは誰もいなくて、みんな幸せな空気を噛みしめているみたいだ。
「なんか……良かったね。」
移動車に乗り込んだ翔ちゃんがぽつりと呟く。
「太一くん、幸せそうだったね。」
「あんな笑顔、男として憧れちゃうね。」
「大切な人と歩んでいく覚悟みたいな?」
「そうそう。きっと奥さんのこと大好きなんだね。」
みんなで顔を合わせて微笑んだその時。
「ところで、相葉くんはいつまであいの手を握ってんのかな?」
いつになく黒い笑顔の翔ちゃんに尋ねられ、背筋がぶるりと震える。
「さっきは見逃したけど、そろそろ限界よ?」
不敵に笑うニノの後ろには、目だけ笑っていないリーダーと無表情の松潤。
「いやっ! ……別にいいじゃんね?」
「あいに手を握って貰ったからって、いつまでも離さないのは相葉くんの意志でしょ?」
「俺だってあいと手、繋ぎたい。」
「そんなの、俺だって!」
「俺はむしろ手だけじゃ終わんないよ?」
どんどん迫り来るメンバーから逃げるため、あいに助けを求めると、何かを思い出したように俺から手を離し、頭を抱えている。
突然離れてしまった温もりに、少しだけ胸が痛むのは知らないふりをした。
「どした?」
「太一くんに、ウエディングソング歌いますよって言うの忘れた!」
「何? 新曲の宣伝? 笑」
「違う! ってこともないけど、せっかくだから機会があれば歌わせてもらいたいなと思ってたの。」
「確かに。もしそういうことがあったら、贈らせてもらいたいよね。」
「でも太一くんは、『俺の披露宴を宣伝に使うな。』とか言いそう。笑」
「そんなこと……言うだろうね。笑」
太一くんの姿が具体的に想像できて、みんなで笑う。でも、その姿はきっと愛に満ちあふれた姿だ。
誰も敢えて口に出さないけれど、もしかしたら俺たちにも訪れるかもしれない未来。
その時、隣にいるのは誰だろう。隣にいる誰かのために、俺は、大きな決断ができるのか。
何も確かなことはない。でも、俺たちが人生の岐路に立ったとき、側にいるのはこの6人。
周りがみんな敵になっても、絶対味方でいてくれる大切な仲間たち。
そんな仲間と笑い合う。その姿はきっと、誰が見ても愛。
prev /
next