壱
「う、ん………?」
日の眩しさに目が覚め、ゆっくりと瞼を開けていく
するとまず目に入ってきたのは木
起き上がって周りを見渡してみても木、だらけである
「ここは……?」
問うてみても、周りには誰もいないため答えは返ってこない
と、思われていたがそうでもなかったようで
「グルルル」
「ヒャクビ、シン…?良かった、お前もいたんだね」
足元にすり寄ってきた相棒、百尾神がいた事に驚いたが安心した
この、知らない所に独りでないことに
「それにしても、ここはどこなんだろうね。他のみんなも見当たらないし…」
セイレーン、クノイチ、バニラ、チカ…
僕の大事な仲間達
みんなと一緒にサクラを、地球を救おうとして…でも……
「…ああ、そうだ。僕は地球を、みんなを、サクラを救えなかったんだ」
父と、仲間達との世界を守るという約束を果たせず
サクラを守るという約束を果たせず
みんな、死んでしまった筈なのに
「なんで、僕は生きているんだろうね」
そう呟くとヒャクビシンが悲しそうに唸った
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