弐
とりあえず仲間は近くにいるのか、人はいるのかということを知りたく、森から抜けて最寄りの村まで来てみたのだが…
「随分、古風な建物だ。学校の教科書に載ってるような…」
今となっては道場以外では珍しい木造住宅が並んでいた
しかも背の高い建物は一つも無く、町を歩く人たちは皆、着物を着ていた
洋服を着ている僕だけが、浮いている感じだ
そしてさらにおかしなことに天人、天獣が一人もいない
どこの町にも一人くらいはいるものなのだが…
おかしい…
ここは、一体…
その疑問を持ちながら、僕は一度森の中へと戻る
____その時、僕は気付かなかった
自分が“誰か”に後をつけられていたなんて
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