四
「……………う、……ん……?ここは…?」
目が覚めると、見慣れない建物の中にいた
近くにヒャクビシンの気配はない、そして手足には木製の枷が付いており、目の前には木製の格子が見えた
どう見てもこの状況は捕まっているなと冷静に判断する
捕まえたのはあの時に会った男の人だろう
しかし僕を捕まえた理由は?
そこで気づく。そういえばあの人は出会ったときに英単語で不審者と言っていた
つまりあの人は僕を不審人物として捕らえたのだろうか?
「…理由話せば、大丈夫かな」
というか今の状況を把握したい
だって僕がこの土地に来るほんの少し前まで地球は滅亡寸前だったのに
それがどういうことか何とものんびりした雰囲気が漂っているのだ
最初、ほんの一瞬だが方舟かと思ったが、方舟にしては広いしそもそもあれはこんな町のような内装のものではないし、乗れる時間もないし乗れる状況でもなかったはずだ
ならここは地球ということになるだろう
可能性としては少ないが、もしかしたら僕以外の誰かが助けてくれたのかもしれない。けれどそれではサクラはどうなったのか。皆はどうなったのか
そして、僕の仲間が何処に行ったのか
「分かれば良いのにね、ヒャクビシン……………、あ…ヒャクビシン…」
そういえば、相棒が側にいないことを忘れてた
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