参
「ただいま、ヒャクビシン」
森に帰り、名前を呼ぶと木々の間から出てくる相棒
嬉しそうにすり寄ってきてくれるが、その声は少し寂しそうである
「ああ、うん…ごめんね、まだ見つからないや」
こいつは、他の刃達と仲が良かった
だから心配なのだろう。彼女達がどうなったのか
僕も、すごく心配している
けど僕は信じてる。また彼女達に出会えるって。だから
「元気だして、ヒャクビシン」
そう言って、僕は頭を撫でた
所変わって湖畔
森の奥にあったのを見つけたのだ
綺麗なので、飲み水や、入れ物に汲んで体を清めたりするのに使っている
そして今も体を清めていたのだが…
「アンタが城下にいたっていうsuspicious personか」
人の気配に気付かなかった。慌てて上着を手繰り寄せ、羽織る
だが、確実に見られた。この羽を、天人である証を
(別に不味いわけではないのだが、人の中には天人を嫌う者が意外と多い。これは第三次世界対戦が原因だ)
なぜここに人が?ヒャクビシンが近くにいたはずなのに
「殺されたくなけりゃ、俺に着いてきてもらおうか。まあ、変な真似しやがったら只では済まさねえがな」
You see?と言った男から少し距離を取ろうと少し後退ったその時
首筋に衝撃が与えられて、僕の目の前は真っ暗になった
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