『安堵』

満ち足りた顔は

どこかで置き去りに
されたまま
充足感は遠のいていった



(私は安堵のため息をつく)



日常の喧騒に

耳をかたむけていると

街は色めき

足どりも軽く

今はもう師走なのだと気づく

行き交う人々と

私の間にある

この、へだたりは…?




(私は安堵のため息をつく)



いつもと変わらぬ

日常のはざま

冷静さを欠いた夜に

鐘の音を聞いた

淋しげな満月と共に

無常なる新たな年へ

そして、また

私は失われた…

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