『万物と実存』


静寂を侵食する耳鳴り

万物に歪む虚像の世界



この果てなき瞬間の内に

私のささやかな孤独は

砂の嵐に埋没し

時の彼方に

葬られるのだろうか



いずれにしても

左手に葡萄酒

右手にペンを



秘めたる想いのまま

ただそこに在る私を

見つめ続ける



委ねたその手に

臆することなく

実存に翻弄されることなく

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