5
「……っ手{emj_ip_0792}熱い、から!」
「……は?」
「だからっ……ナナシの手、冷たいから…」
布団で顔を半分以上隠しながら言うギンタが、とても愛らしくて。
ナナシはおかしくて、でも声を押し殺して笑い、ベッドに腰掛ける。
頭をぽんぽんと優しく叩くと、ギンタが布団の隙間から真っ赤になった顔を少しだけ出し、ナナシに目を向けた。
「ギンタは可愛いな」
「っ、うるせぇ!バカナナシ!」
「へぇ〜、そんな事言うてええんかギンタ?」
「…病人だからいいんだよ!」
「はいはい」
「はいは一回!」
知っているのだろうか。
『一緒に居たい』
その気持ちは、自分も同じだと言う事を。
でもそれを伝えたら、きっとまた赤くなりながら反論を言うんだろうと思うと、それも見たいなと思いつつ、彼の体調を優先し、ただ笑って手を握るだけにしておいた。
躊躇いながらも、それでもしっかりと握り返してくるそのまだ少し幼さの残る手が、やっぱり愛おしくて。
本当は抱きしめたい気持ちを、とりあえず今は、とナナシは自分に言い聞かせた。
今は、もう少しこのままで。
この、優しい時間を、2人で感じていたいから____……。
【END】
- 14 -
*前次#
ページ:
ALICE+