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「風邪引くぞ」
「…え?…わっ!」


ギンタが手を擦り合わせながら、悴んだその手に息を吐きかけていると、いきなり声がして、目の前が急に暗くなる。

愛しい人の香りがして、アルヴィスが自分の上着を頭の上から覆いかぶさるように落としたんだと言う事がわかった。
ぷはっと顔を出すと、自分の後ろで立って小さく笑っているアルヴィスを見る。
しばらくその顔を見ていたが、はっと気づいたようにギンタは手にしていた上着をアルヴィスに差し出す。


「アルヴィスの方が寒そうじゃん。いいよ、返…」
「俺は体調管理には自信があるんだ。単純なお前とは違ってな」



その上着は受け取らず、ギンタの隣に座って勝ち誇ったように言うアルヴィスに、ギンタはしぶしぶ服に腕を通す。



「アルヴィスそればっか」
「俺は嘘は言ってないだろう?」
「聞くんじゃねぇっ!」



クスリと笑ったアルヴィスの息が、白くなって溶けた。
少しだけ積もりはじめた雪が、白くキラキラと輝く。



「城に戻らないのか?」
「うん。もうちょっと、見ていたいから」



そう言って笑う、恐らく寒さのせいで頬と鼻の頭を赤くしているギンタを見て、アルヴィスは不思議そうに言った。




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