新潟農業高校2


家庭科の授業にお邪魔することになった一向。
生徒たちと一緒に授業を受けメンバーたちも同じ料理を作る。
野菜の炒め物の材料を主に切っていくのは、メンバーの紅一点でもあり料理経験豊富な蛍だ。
そして当然のように亜嵐もその隣で野菜を切っていく。

「蛍ちゃんやっぱ手馴れてんね」
「当然じゃん、蛍ちゃんめっちゃ料理上手いんだかんな。
この間もかわいくデコレーションできたって写メ送ってくれたんよ、やばくない?かわいくない?天使だよ」
「亜嵐くん、口より手動かして」
「はいすいません」
「怒られてる(笑)」

クールでミステリアスな蛍だが実は可愛いものが大好きで、料理の見た目にもそのこだわりがあるのだ。
しかし周りにはそれがあまり知られたくないようで余計なことを喋るなと亜嵐を制する。

「でもこうしてみると二人ともいい感じだよ」
「マジで?夫婦に見える?」
「見えなくもないかな」
「どうしよ、蛍ちゃんオレたちもう結婚する?」
「野菜切って」
「はいすいませんでした、調子こきました」

さきほどより声のトーンが低くなった蛍に必死で謝る。
その二人のやり取りを見守るメンバーたちと、何故か黄色い歓声をあげる生徒たち。

最後の炒め作業を怜於と生徒に任せ、手の空いたメンバーは生徒たちの様子を見に行く。
生徒たちは間近で見れるメンバーたちに顔を赤らめたり悲鳴を上げたり、反応は様々だ。

「本物めっちゃ綺麗…っ!」
「ありがとう」
「なんでそんなスタイルいいんですか?」
「…筋トレ?」

蛍は比較的まともに生徒たちと話ができている方だった。

「コイツ、めっちゃ蛍さんのこと好きですよ」
「そうなの?」

一人の男子生徒が周りの男子たちに茶化されながらも蛍の前に出された。
その顔は茹でだこのように真っ赤だ。蛍が握手を返すと生徒はとても嬉しそうにする。

「あの、蛍さんってどんな男の人がタイプなんですか?」
「え、どうだろう…あんまり考えたことないかも」
「料理できる人ってどうですか?」
「料理?うん、そうだね。できるとかっこいいと思うよ」
「あのオレ調理師目指して―――「ちょっと待ったぁああ!」

生徒と蛍の間を割くようにして現れた亜嵐。

「キミね!蛍ちゃんのこと好きなの分かるけど、この子はオレのだから!」
「全く違うからね」
「アプローチしてもだめだから!オレだって料理できるし!」
「いいよ、自分つくるから」
「蛍ちゃぁあああんん」

ものの見事に拒否られてしまい惨敗であった。

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