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百合ちゃんに出会ったのは俺が劇団EXILEのオーディションをきっかけに上京した時だった。
事務所で見かけた彼女は誰もが知る有名人。
もしかしたらここの事務所で知名度No.1なんじゃないかって思ったけど、やっぱりEXILEさんのが上かって思ったっけ。
1度会ってみたいってずっと思ってた。
俺も彼女もEXPG出身、サポートダンサーもしていたけど俺の拠点は西日本、彼女の拠点は東日本。
接点が交わることはなかった、強いて言うならEXPG生だと言うことだけ。
どうしても1度会ってみたかった彼女を初めて見た時は高校の制服を着てヒロさんと話をしていた。
真っすぐに伸びた黒髪に白く透き通るような肌、ぱっちり二重の大きな目、スッと通った鼻筋に小さめな口。
背は俺より頭1個分小さいくらいでそこから伸びる手足は細く長かった。
口元のほくろにめちゃくちゃ色気を感じてしまい、自分より一つ年上なだけなのに大分大人びて見えた。
その日、俺は人生で初めて一目ぼれをした。
それからというものどうにか接点つけたくて、当時同じ劇団にいたエリーさんに直人さんを紹介してもらった。
直人さん伝いに百合ちゃんに接触成功。その後はとにかく俺から猛アタック。
全然喋れない俺( ただ緊張しっぱなしだっただけ)と、全然喋らない百合( ただ人見知りなだけ)。
メールも電話も俺からめっちゃした。だんだんと口数が増えてきた時はすごく嬉しかったな。
俺から誘って二人で遊びにいくようになったのも出会って半年くらいたってからだ。
一人で悶々と悩みに悩み、やっとこさ告白までたどり着いたのはそれからさらに半年後。
緊張から噛みに噛みまくった告白は全然かっこよくもなく、はっきり言って玉砕覚悟だったけど、まさかのOKに数秒固まってしまったのを覚えている。
まぁ、そんなわけで俺は晴れて彼女の恋人の座を得ることができたのだ。
そこから俺達は誰にも何も言わずに付き合うことにした。
彼女を狙う先輩たちは事務所にたくさんいるし、言ったらボコボコにされ兼ねないと思った、彼女も揉め事は避けたいようだったし。
----------2010年8月某日
百合ちゃんが三代目のパフォーマーに選ばれた。
パフォーマーになることが決まっていたエリーさんから聞いた。
メンバーとしての発表は残りのメンバーが決まってからになるそうだから内緒にしてと言われた。
素直に凄いと思ったし、俺も負けてらんねぇなって思った。
それからだ。頑張りが認められたのか、ただ単に運が向いたのか、俺がGENERATIONSの候補生として声をかけて頂いたのは。
「百合ー、アイス買いにいかね?」
「うん、いく」
今度行われるEXILE一族総出のライブツアーのリハーサルの休憩中。
勿論、三代目である百合ちゃんも、そしてGENERATIONSである俺も一緒の空間にいた。
けど皆には俺たちが付き合っていることを伝えていないので、必要以上に話さず適度な距離を保つ。
彼女の方も主に三代目の皆さんと一緒にいることが多い。特に岩さんと。
今も岩さんの方から百合ちゃんに声をかけていた。
「相変わらず、百合と岩ちゃんは仲いいよね」
「いつもセットだし」
それを見ていた啓治さんや隆浩さんが改めて二人の仲の良さを語っていた。
確かにあの二人が仕事以外のプライベートでも一緒にいるぐらいの仲なのは、俺が百合ちゃんと付き合う前から知っている。
ファンの一部には付き合ってるなんて噂もあるらしいけど、残念ながら百合ちゃんの彼氏は俺ですから、この俺ですから!
なんて心の中で叫ぶものの、これが言えないもどかしさも感じてしまう。
でも百合ちゃんは俺のことを彼氏として選んでくれたんだ、昨日だってLINEで“好き”って言ってくれたんだ(言わせたようなもんだけど)。
「あーらら、手なんか繋いじゃってさー。ったく、青春だなおい」
「隆浩くん大分オヤジ臭くなってるから」
そう、だから例えあの二人が手を繋いでいようと………っておいいいいいい!?
なに手繋いでんの?!え、岩さん!?ちょ、まってぇえええええ!!
「でさー亜嵐く、…亜嵐君!?どした?やばい顔してるよ!?この世の終わりみたいな!」
「ついに亜嵐くん終了のお知らせ」
ほんとにどーしてこーなった。
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