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《CHIHARU SIDE》
夜、山王からの帰り道。
俺を連れ戻しに山王までやって来た村山達。
ヤマトさんが追い返してくれたが…テッツとか言う奴の言う事が胸に残る。
それに…ナオミって人のあの言葉…。
“SWORDは…ギリギリのとこで均衡保ってんの、でも…ほんの小さなキッカケで崩れ出す事があるんだよ”
昔…何かあったんだろうか。
やっぱり俺は…山王には…
考え事をしていたせいで鬼邪高の奴等が近付いていた事に気付かなかった。
「チハル…見つけたぜ」
…やばい、結構な人数がいる。
逃げるか…いや、というか逃げ切れるのか。
どうするか頭に考えを巡らせていたその時、一人の男が現れた。
「……今…山王街」
そいつは携帯で話をしながら鬼邪高の奴等の間を通り過ぎ、自販機へ向かう。
キレた鬼邪高の奴がその男に殴りかかるも…殴り返された。
携帯で話をしつつ、次々と奴等を伸していく。
「…また電話するわ」
そう言って最後の奴を殴った。
コイツ…とんでもなく強い…っ
「…コイツ!雨宮兄弟の広斗だ…!」
殴られた鬼邪高の奴から聞こえた言葉。
雨宮兄弟…!?伝説が…そのまま現れた…。
「チハルくん、なにしてるの」
その時、後ろから声が聞こえた。
振り返れば…ユリさんだ。
ヤマトさんから話は聞いた。
あの洋食屋でバイトをしていて、コブラさんたちの大切な人で、最初に俺を助けてくれようとした人。
でもこんな時間に会うのはまずい、なんで夜に1人で…
「……ユリ、?」
俺じゃない、ユリさんを呼ぶ声。
呼んだのは後ろの、
「……広斗?」
あの雨宮広斗から…ユリさんの名前が出るなんて。
誰が想像できただろうか。
ユリさんは少し驚いていたみたいだけど、先に動いたのは雨宮広斗だった。
足早にこちらへ、俺を通り過ぎ…真っすぐ後ろのユリさんへ。
「…会った時もいい女だったけど…もっといい女になってんじゃん」
あからさまな言葉もこの男が言うと全く違うものに聞こえた。
けど、当の言われた本人は意にも介さず、地面で伸びてる男たちを見ておおよその予想がついたらしい。
「あいかわらずだね。…怪我はもういいの?」
「あれからどんだけ経ったと思ってんだよ………会いたかった」
そう言った雨宮広斗はユリさんを抱き締めた。
………どどどどど、どーなってんだこれは…!!
あの伝説の雨宮兄弟の弟が…何でユリさんと…!!
自分の事なんて頭から無くなる。
今は目の前の光景が幻なのか真実なのか、それを誰かに教えてほしかった。
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