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敵の襲撃を受けた雄英高校は全校生徒を即時帰宅させた後、翌日も臨時休校となった。
白昼堂々の雄英襲撃、敵連合と名乗る組織と目的はオールマイト殺害だったということが大きくニュースに取り上げられ、世間にセンセーショナルな話題を与えた。
それと同時に敵の襲撃を耐え抜いたとしてヒーロー科1年A組もまたその雄姿が伝えられた。
そんな世間の注目度とは相容れず、本物の敵の脅威、プロの世界、実戦を目の前で体験したA組生徒たちの気は休まることなく、明くる日の登校日を迎えた。
「ねぇねぇきのうのニュース見た?クラスのみんなが一瞬映ったでしょ」
「どのチャンネルもけっこうでかく扱ってたよな」
「無理ないよ、プロヒーローを排出するヒーロー科が襲われたんだから」
教室に全員が揃ったA組生徒たちも、テレビでの大きな扱われ方に驚いた。
あの日の出来事は出来れば思い返したくない程の恐怖だったけど、これからあんなプロの世界に足を踏み入れようとしているのだから、これも糧にしなくてはいけない。
「みんなー!朝のホームルームが始まる、私語を慎み席につけー!」
時計の針が8時25分を指し学校内にチャイムが鳴り響く。委員長の飯田は教卓に立ち指示するも全員ちゃんと着席しており、「ついてねーのおめーだけだ」とつっこまれた。
いつもならこの時間ピッタリに姿を現す相澤だが、先日の敵襲撃で相澤の酷いケガを目の前で目撃した緑谷は今頃どうしているだろうかと案じた。
相澤と13号は重症の為入院したとだけ聞いたけど。
「おはよう」
「相澤先生復帰早えええ!!」
チャイム終了と同時に静かに開いたドアから入ってきたのは、顔と両腕に包帯を巻いた相澤で、そのプロすぎる教育姿勢に生徒たちは驚くとともに感嘆を漏らした。
「先生無事だったのですね!」
「無事言うんかなぁアレ……」
よろりとふらつきながらも教壇に立つ相澤はどう見ても重症者のまま。
生徒たちを守るために真っ向から敵の渦に飛び込んでくれたのだ、気にせずにはいられない。
「俺の安否はどうでもいい。何よりまだ戦いは終わってねぇ」
「戦い?」
「まだヴィランがー!?」
手負いでも迫力の衰えない相澤の厳しい目が生徒たちを刺す。
「雄英体育祭が迫ってる」
クソ学校っぽいの来たあああ!!
「待って待って!ヴィランに侵入されたばっかなのに大丈夫なんですか!?」
「逆に開催することで雄英の危機管理体制が盤石だと示す……って考えらしい。警備は例年の五倍に強化するそうだ。何よりウチの体育祭は……最大のチャンス。ヴィランごときで中止して良い催しじゃねぇ」
かつてオリンピックがスポーツの祭典と呼ばれ全国が熱狂したが、現在では個性の発現により規模も人口も縮小し形骸化した。日本に於いて今、かつてのオリンピックに変わるのが”雄英体育祭”だ。
「当然全国のトップヒーローも観ますのよ、スカウト目的でね!」
通常、プロヒーローとはヒーロー科卒業後、プロヒーロー事務所に所属し先輩のサイドキックとして学んだ後、ゆくゆくは独立し己自身の力で本格的なプロヒーローとして活躍していくのが定石。ヒーローを目指す者なら資格を獲ると同時に、早いうちからプロの目に自身の存在を知らしめておくことは有益。
「独立しそびれて万年サイドキックってのも多いんだよね。上鳴、あんたそーなりそう。アホだし」
「くっ!!」
当然名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなる。
プロに見込まれればその場で将来が拓ける。
年に一回……、計三回だけのチャンス。ヒーローを志すなら絶対に外せないイベント。
「テンション上がるなあー!!」
ワッと盛り上がるA組。憧れていたあの舞台へ。
敵襲撃の直後で心配する生徒もいるが、誰もがやる気に満ち溢れた。
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