その家族、里最強1


長きに渡る戦争を経て高度成長を遂げた新時代。
そして七代目火影・うずまきナルトが統治する木ノ葉隠れの里では
今、他里でもその名が知られている一家があるという。


「よっしゃ!今日の任務終了だってばさ!」
「今日も無事終えられたね」
「あー疲れたー…」
「………あ」

上から順にボルト、ミツキ、サラダ、そしてツララ。
木の葉丸班に所属する下忍たちだ。

「どうしたの?ツララ」
「…かか様」

ツララが指差す方向には買い物途中らしい、ツララの母はたけキサキがいた。
火の国一と謳われるその美貌は未だに健在で、六人の子を持つ母とは思えない若々しさだ。
キサキの方も娘に気づいたのか、小さく微笑んで子供たちのところへと歩いてきた。

「お疲れ様、任務が終わったところかしら?早いわね」
「おう!オレがいるんだから当然だってばさ!」
「アンタはまたそうやってスグ出しゃばるんだから」
「な、何だとぅ!?」

言い争いを続けるボルトとサラダを置き、ツララたちは話を進めた。

「今日、ご飯…なに?」
「今日はナスのグラタンにするつもりよ」
「ツララそれ、好き」

自分の好物が食卓に並ぶということもありツララも嬉しそうに目を輝かせた。
無表情が多く大人びた雰囲気の少女だが、やはりまだまだ子供らしい一面もある。
娘の嬉しそうな様子に、ホタルも頬を緩ませた。

「オレ、今日は和食な気分だったんだけど…まぁいっか」
「じゃあ明日作ってもらえば?」
「ずっと任務続きだったし、オレは母さんの手料理なら何でもいいけど」

すると突然ボルトたちの背後から聞こえてきた三人の男の声。
全く気配がしなかったので、ボルトとサラダは思わずビクッと肩を震わせ振り返った。
そこにいたのは今、木の葉の里で知らない者はいないと言われるほど有名な三人。

「んだよ、ツララの兄ちゃんたちじゃねーか。驚かすなってばよ!」
「バッカ!!あんた口が悪いわよ!」
「ツララのお兄さん…『はたけ三人衆』と呼ばれている三つ子は今、若手トップと言われるほどの実力者だからね」

イチタ・ニコエ・サンリ。彼等はツララの兄たちでもあり、ホタルとカカシの最初の子供たちの三つ子である。
三人とも父親と同じく口布をつけてはいるが、その容姿は青年時代のカカシそっくりであり、父の永遠のライバル、マイト・ガイによると性格まで昔のカカシに似ておりまさに生き写しだという。
そして遺伝されたのは姿だけでなく、父と母の才能を充分に受け継ぎ、まだ十代にも関わらず既に上忍として活躍しているのだ。

「三人とも、お疲れ様。もう報告は済んだの?」
「うん、今さっき」
「母さん荷物持つよ」
「他にいるものある?スグ買ってくるけど」
「もう買い終えたから、大丈夫よ。ありがとう」
「兄様、ツララ今日、頑張ったの」
「あぁ偉いぞ。今度、俺らが修行見てやるからな」

「なんか…改めて見ると…ツララんちって凄いよな」
「父親は元火影、母親は雪箆一族出身で氷遁使いの名手…血筋って怖いわ」
「ボルトも負けてないと思うよ?」
「いや、ウチとはこう……華やかさが違うっつーか、大家族だし」
「確かに。これであと間に双子のお兄さんたちがいるんだから、凄いわよね。しかも双子の方も私たちとそう歳は変わらないのに、もう中忍だし」
「……おや、噂をすれば…だね」

水月が上空に目を向けそういうとボルトたちも揃って顔を上げる。
建物を軽々と飛び越えてこちらに向かってきたのは、先ほど話題に出ていた、ツララの双子の兄達。

「母さーん!!」
「いや、叫ばなくても気づいてくれてるよ…」

セイタ・ウドク。三つ子の弟たちでもありツララの兄達であり、ホタルとカカシの二番目の子供たちの双子である。
双子も兄達と同じく口布をつけ、これまた容姿も少年時代のカカシそっくりなのだが、唯一違っているのはその性格だ。
兄弟の中で一番明るく元気なセイタと、趣味は読書という口数が少なく大人しいウドク。
彼等も両親の…特にカカシの才能を色濃く継いでおり、雷遁使いのセイタと水遁使いのウドクとでそのコンビネーション力は兄妹一と言われている。
ツララたちより少し年上なだけだというのに、こちらもスピード出世と言われもう中忍として活躍しているのだ。

「母さん!任務無事終わったよ!」
「はい、お疲れ様」
「…兄さんたちも任務帰り?」
「あぁ。ってことは今日、久々に兄妹全員そろったな」
「…っ、あのね、ツララ…兄さんたち、帰ってきて嬉しい」
「「「「!!!」」」

兄たちが全員揃うことは久々のことだった。
普段は皆任務によって家を出たり戻ったりと、すれ違うことが殆どなのだ。
揃って食卓を囲むことも月に数える程度しかない。
まだ子供であるツララにとっては、こうして目の前に兄妹が揃うことがとても嬉しかった。

「オレの妹、まじ天使…!!」
「オレ"ら"のな…ッ」
「早めに帰ってきて良かった…」
「兄ちゃんも嬉しいぞーツララ!」
「セイタ、あんまり激しく高い高いしないようにね」

「「「(全員、シスコンかよ…)」」」

ボルトたちが心の中で突っ込む。
何故か遠くを見つめて涙ぐんでいる三つ子と、楽しそうにツララを持ち上げるセイタとそれを止めようとするウドク。
そんな子供たちの様子を微笑ましそうに見守るホタルの姿があった。

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