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――震えるまぶたをゆっくりと上げると、夜に見た風景とさほど変わらない風景がそこにはあった。変わったことといえば日が昇って明るくなったことぐらいだ。大きくあくびをしながら体を伸ばす。
「あーあ…。……これからどうしようかな」
とりあえず知りたいのは自分の身分。名前、年齢、住所、その他もろもろ。そもそもあるのかすら分からないけど、あるなら知りたいと思う。それを知るためには役所とかに行かなければいけないのだろうか。行ったとしてなんと言って説明しよう。別の世界から来たんですけど、この世界での私の身分ってどうなってますか、とか? そんな言葉、一体誰が信じるのだろうか。それを言ってしまったら最後、どこに連れて行かれるか分かったものじゃない。誰かに危害を加えたわけではないので雑に扱われはしないだろうけど、ある程度は身の拘束をされるだろう。それは少し、いや、だいぶ面倒臭い。でもそれ以外に説明のしようもない。
……あれ、わたし、詰んでない?
頭を抱えていると視界の端にボールが映った。そういえば昨日見たポケモン以外にはまだ会っていない。
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