そうだ、慰安旅行に行こう15

一方、実は思いっきり男湯に会話が筒抜けになっていたとは思ってもおらず、そろそろお風呂から上がる事にした女性陣。
部屋に準備されていた浴衣に着替える。
外に出ると、お風呂前のロビーの所に数名がくつろいでいる。
何気なしに見てみるとそこに居たのは稲実の人達だった。

「巴っ、今上がっ………」

前方から鳴が近づいてきた。
しかし、突然制止した鳴に巴は疑問符を浮かべる。

――ぷるんっ。
普段とは違い、浴衣の帯があるため巴の巨乳が更に強調されているのだ。
さらに隙間から見える白い谷間には、僅かに水滴があり色っぽさが増している。

「お、おおお…おまっ何て格好してんの!?」
「…浴衣だけど」

何処か間違った着方をしてるかと、巴は再度自分の身なりを確認する。
しかし、勿論彼女の着方に問題があるわけでもなく。

「〜〜っ!そうじゃなくて―――「巴〜飲み物買いに行かない?」

梅本たちが少し離れたところで巴を呼ぶ声。

「うん、今行くね」
「…ん。やるよ」

つい先ほどまで不機嫌というか、顔を赤くして叫んでいた鳴が飲んでいた筈のポカリを差し出す。
こういう風に昔からコロコロ表情が変わるところが、少しだけ可愛く思えてしまう巴。

「ありがとう。でも大丈夫、自分で買うから…じゃあ行くね」

***

「残念だったなぁ、関節キス出来るチャンスだったのに」
「なっ!カルロ!」
「彼女、風呂の時も聞いたけど…胸大きいね」
「白河もっとオブラートに包んで!」
「浴衣姿可愛いじゃん、エロいしな」
「エロいとか言うな!大体、巴の浴衣姿なんて夏祭りとかで何回も見た事あるしっ!
子供の頃は一緒に旅行だってしたし、それにっ…!」

飲み終わったペットボトルをゴミ箱に捨てる為に離れる鳴。
そのぎこちない動きをチームメイトは温かい目で見守る。

「夏祭りの浴衣と風呂上りの浴衣って別物だろ」
「だよなぁ」
「半乾きの髪とかさ、ちょっと火照った感じの肌とか?」
「巴ちゃんなんか、谷間にお湯が残っちまうとかな」

――コイツら…っ人の話聞いちゃいねぇ!!
ニヤニヤしているチームメイトを横目に、マッサージチェアに腰を下ろす。

「な、鳴。あとで2人きりにしてやるからさ、決めちまえって」
「…」
「あんな美女、早くしないと絶対誰かに持って行かれちまうぜ?」
「ねぇ、今日の昼間…御幸ってやたらあの子の事心配してたよね」

突然、白河がそんな事を言い出した。
巴と脱出した後、出口で一也がやたらとつっかかって来たらしい。ああ、あの走って来た時か…。
そういや、こいつらは一也が巴のこと好きって知らないんだったな。

「御幸って、あの子の事好きだったりしてな」
「…フン!そうだとしても、巴は将来オイラのお嫁さんになるんだから、ライバルにもならないね!」
「出た、鳴の“巴はオレの嫁”説」
「巴ちゃんが昔ほんとにそう言ったとしても、大人になったらそんなもん関係なくなるぞ?」
「全然大丈夫だもんね!今日だって……プププッ!」
「え、何キモいんだけど」
「キモい言うな!」
「おい、お前らその辺にしとけよ。そろそろ青道も出てくるかもしれないんだからな」

結局、原田の鶴の一声により、稲実メンバーは部屋へと戻ることに。

「まぁ、でもカルロー」
「あん?」
「念のためだけど!念のために!今日巴と話して、そんでちゃんとつかまえとこうと思うよ」
「なんだよ、しゃーねーな、任せとけって」

――まぁ、今日ぐらいは皆の助言に従うのもアリかもしれない。

「成宮、お前ゴムとか持ってる?」
「はぁ!?そういうのはいいから!!」
「遠慮すんなって、俺、常備してるから」
「なんでだよ!?」

ALICE+