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年末――巴は両親と一緒に祖父母の住む実家へとやってきた。しかしそこで出迎えてくれたのは、

「あ、婆ちゃんこれ上手い!オイラ好みだ」
「それは婆ちゃん特製の煮物だからねぇ、ほらこっちもお上がり」
「成宮くん、今度うちの方にも遊びにおいで。巴と一緒に帰ってきていいからね」
「巴、食器棚の小皿運んでくれる〜?鳴ちゃんの分もお願い」

「なにこれ…」

何故か祖父母の家にもう一人の幼馴染である成宮鳴がいたのであった。

「まさか姉ちゃんたちが旅行券当てるなんて思ってもみなかったよー、まぁオイラはそんなにこっちに長くいれないから別にいいんだけど」
「でも凄いわよね。まさかドバイ旅行一週間分当てちゃうなんて」
「ラクダに乗って砂漠見てくるんだろ?今度写真送ってもらおうか」
「まぁまぁとにかく鳴ちゃん、ゆっくりくつろいでいってねぇ」
「うん!オイラ、巴とも一緒にいたかったからすげぇ嬉しいよ!」

「なんなのこれ……」

そう。祖父母が年末から巴たちを呼んでいたのは鳴がいたからだった。
成宮家がドバイ旅行を引き当てたが、鳴は正月が明けたら直ぐに寮に戻る予定だったため家族旅行にはついて行かず、その間は巴の祖父母の元でお世話になることになったらしい。
せっかくだから同年代の巴がいた方が良いという祖母の計らいが、今に至るわけである。
しかし事の経緯を全く知らされていなかった巴は一人置いてけぼり状態であった。

「そうだ。巴ちゃんと鳴ちゃんのお布団は一緒の部屋だけどいいかね?昔と同じように」
「え、」
「全然いいよー!」
「小っちゃい頃は二人一緒の布団で寝てたぐらいだもんな、今はこんなに大きくなったけども」
「鳴ちゃんは高校に入ってから特に頼もしくなった気がするしね〜」

―――私の意思は…!?

***

「ねぇなんでそんなに離れてんの」
「…別に」
「おかしいでしょ!間開けすぎ!1mはあるよ!?」
「高校生の男女ならこれぐらい普通」
「はぁ?」


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