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わたしが造られてどのくらい経ったの
だろう。
わたしたちアクマは、何人もの人間を殺すことで進化するらしい。
周りの同胞たちがそうであるようにわたしもまた新たな力を求めた。
そうやって衝動に身を委ねた果てに待っていたのは、自我というものだった。
なんて、虚しいのだろう。
自我の芽生えたその瞬間、わたしは襲い来る虚無に慟哭した。
同胞たちはわたしを羨み、泣き叫ぶわたしをおかしな奴だと揶揄った。彼らはまだ知らない。この胸を穿つ虚しさを、まだ知らないのだ。
初めて、殺すことを苦しいと思った。
(わたしはきっと不良品)
殺戮兵器が殺しに苦しむなんて、なんて皮肉なのだろう。
コツコツ、とブーツがよく磨かれた床に当たり、固い音を鳴らす。
その音すらも煩わしく感じて、思わず唇を噛みしめる。オイルの匂いが嫌に鼻についた。
「なんかオマエ、変」
突然腕を引っ張られて、思わず身体が後ろに向く。
その人影を視認した時、ひゅうと喉が奇妙な音を立てた。