人生にハプニングは付き物


「ちょ!待て待て待て待て!!」




数日後、レッドの無謀とも言えるアッシュ強化特訓は急遽暇が出来た為様子を見に来たグリーンの慌てたツッコミによって唐突に終了した。

「……まさかそんな練習をさせられているとは」

まずはもっと先に教える事があるだろう!とグリーンはレッドに詰め寄るがレッドはどこ吹く風である。
それはそうだ。もっと早く言ってやれ!と脳内で言い返しているとこちらにも火の粉がかかる。

「何でアッシュも言わないんだ!」
「言ったけど聞かなかった…!」
「あー…」

アッシュの切実な声にグリーンは腕を組んだまま渋い顔をした。当のレッドはというと、グリーンに説教されたからかムスッとしたままそっぽを向いている。そんなレッドとアッシュにグリーンは続ける。

「いいか、確かにイーブイのバトルについて話すのは合ってる。でもそれだって限度があるだろう。ただの無茶振りじゃ身にならない。あとそのイーブイは譲ってもらったって言ってたよな?」

ならボールの使い方とかまずそういうことも必要だろうとグリーンは自身のボールセットを軽く叩いた。ちらりとそれを見たレッドはハッキリと告げる。

「それはグリーンが教える」
「言い切るな!確かにレジュメでは教えたけど!」

そういう事じゃないんだよ!とグリーンは頭を抱えた。どうやら講義をしてはいたが彼もまた実践で覚えさせたい派らしい。

「まずは仲間増やすとかさ。ポケモンの捕まえ方知ってるよな?」
「勉強したからな」

尋ねられたアッシュは静かに頷いた。
まずはバトル。そんで体力減らしてからボールだ!とグリーンは近くにいたいもむしポケモンで見本を見せてくれる。
とはいえ、グリーンのポケモンが戦うと即瀕死にさせてしまうので状態異常技のみであったが。捕まえたキャタピーを逃がしながらグリーンはアッシュに詰め寄る。

「とりあえずやってみろ!」
「いや、これ以上ポケモン要らないよ」

大丈夫だ!何ならさっきやったみたいに逃がしてやればいいからとグリーンに押されるが思わず渋るとボールがないかと尋ねられる。

「いや、ボールはあるけども…」

そう、いつぞやかにカンポウからの餞別で貰ったボールがあるのだ。とりあえずリュックからそれを取り出しながらも、アッシュはどうしたものかと思案する。
すると、その後ろから突然青い影が飛び出してきた。



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