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まさかマサラにいてウパーをゲットする事になろうとは露ほども思わなかったアッシュは内心動揺していた。

思わず「お前なんでここにいるんだ」と本人もとい本ポケに問うてみたが、ウパーの話は主語が抜けていたり唐突に全く関係ない単語が出てくるせいで何故いたのかはイマイチ分からなかった。
なんせ散歩、海、虫ポケモンと単語が続いたあと急に甘いジャムという単語が出てくる。
さっぱり意味が分からない。
分かったのは海辺へ散歩に出たという事くらいだ。壮大な散歩である。

捕まえておいて何だがこれ以上は面倒見れる気がしない。
あの後休憩と称してグリーン達とは離れたところでウパーの説得を試みたが人の話を聞かないウパーは途中でイーブイを追いかけ回し始めた為失敗に終わってしまった。
仕方がないのでとりあえずウパーが飽きるまでは行動を共にしようということで話はまとまった。
が、それに対してイーブイは物凄く異議を唱えた。ウパーは暇な時、遊んでほしい時、など何かある事にイーブイを追い掛け回しているので当然といえば当然であった。
それに対してまぁまぁと間に入り何とか折り合いを付けてもらう。
結局おやつを増やすことでその後折り合いは付いた。
イーブイよ、お前最近本当に食べ盛りだなぁ。
少し前まで全く食べなかった姿を知っているだけに嬉しいやら、ちょっと心配やらと忙しいアッシュである。


休憩後はウパーも交えてグリーンとレッドの2人からバトルの仕方を習うこととなった。
手持ちにイーブイを持つグリーンからはイーブイと相性の良い戦い方を、レッドからは気が散りやすいウパーにあった戦い方を教えてもらう。
アッシュのイーブイは基本攻撃する事が好きなようなのでなるべく攻撃を主体とした戦い方。ウパーは少しでも間が開くと周りのことに気がいってしまうので常に指示を出すか考える事が必要な技の構成が必要になる。

「本当にポケモンによりけりなんだな」
「あぁ。まー、進化すると性格がちょっと変わるって事もあるから必ずそうでなきゃいけないわけじゃないぜ?」

ついでにと、グリーンが二匹のその後の進化系についても少し教えてくれる。
イーブイは今のところ8つの進化の可能性を秘めているらしい。
まだまだ研究段階なのでもしかしたら他地方にて他の進化形態が見つかる可能性が大いにあるポケモンだそうだ。

「石で進化か」
「進化の石もまた研究には持ってこいの面白いもんだよ」

それを専攻して調べてる学者もいるしなとグリーンは続けた。さすが研究所に出入りしているだけありなかなか詳しい。
色々話を聞いていたらその日の訓練はあっという間に終わってしまった。





また今度ゆっくり聞こうと思っていたアッシュだったが、なんと翌日突然グリーンが他地方に用事が出来出掛けることになってしまった。

「すまん!ちとフィールドワーク手伝ってくれと駆り出されてな」
「ならそろそろ俺もコガネに戻るよ」

グリーンは申し訳なさそうにしているが、そもそも忙しい身のグリーンを何日も拘束していたのはこちらである。
本人の希望であったとはいえ、いつも書類を持ち歩いていたことから察するにそれこそ無理をさせたことだろう。
楽しそうにしてはいたが、いつも寝不足そうな顔をしていたのを見逃してはいなかった。
レッドもそれを分かっているからか、文句を言うことなく帽子を目深に被るのみであった。
あれはレッドが言いたいけれど言い出せない時にする仕草である。

「レッド、グリーンも」

アッシュが声を掛けると2人ともアッシュの方を向く。

「ありがとう」
「……ん」「……おう!」

嬉しげに笑う様子を見て、自分はいい弟分を持ったなぁとしみじみするアッシュであった。




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