離れることで気付くこともある


さて、そんなわけで急遽講座は終了し帰ることとなったアッシュ達は翌日、来た時と同じく荷物を纏め部屋の中をチェックして回っていた。

アッシュはイーブイ達にも確認の為声をかけた。

「もう忘れ物とかないよな?」
「ウパー!」


ウパーは元気良頷くがそもそも手持ちになったばかりなので身一つとボールさえあればウパーの準備は完了である。
その後ろのベッドではイーブイが素知らぬ顔でいるが自身のお気に入りである石が首元にかかっているのを確認したのが見えた為こちらも準備完了のようだ。
それを確認した後、ウパー達を連れたまま1階へと降りる。
というのも、ウパーもまたボールに入っていることを嫌う質であったからだ。それは今までの壮大な散策具合をみて何となく予想していた範囲ではある。
イーブイ達と共にが一階に降りると、ふとリビングに母の荷物が置いてあるのに気がついた。

「これなんだ?」

どうやら時計のようであるが、割と高性能のモノのように映る。
アッシュの母は割と昔からあちこち出掛ける質であったのでそれこそ旅はお手の物である。
そもそもグリーン達に旅のいろはについて教えたのも確か母であったはずだ。そんな母なので他地方の通信機器を持っていても不思議ではない。
もしや通信機器を忘れていったのだろうかと心配するが、そういえばポケギアも持っているから大丈夫だったと考えを切り替えた。
とはいえ、普段置かないものをここに置いてあったということは、急遽旅に出ることにした際忘れていったものだろう。
ついでだから後で引き出せるようにパソコンに入れておいてあげようと思い立ち、そのままそれを手に取る。


何それ何それと興味津々のウパーを交わしつつ玄関へと向かうとレッドが扉を開けて待っていた。
レッドにはこのあとコガネまで送って貰う算段なのである。
グリーンは先に出発となった為来れなかったらしく、レッドは「連絡はまめにって言っとけ!」という伝言と餞別らしきものをもらってきたらしい。
正確にはもっとあったはずだが多かったので少し省略した、とのことであるが少しどころか最初以外全て省いたに違いない。
とはいえ、連絡先は知っているのでいつでもまた連絡出来るだろうとアッシュは呑気に構えていた。
ちなみにレッドの連絡先もついでに登録済である。お互いマメな方ではないので連絡するかと言われると別問題だが。


もう大丈夫かと視線で聞いてくるレッドに「大丈夫だ」と伝えると、レッドはコクリと頷く。
会えはしなかったがグリーンから餞別も貰ったし、オーキドからもいかりまんじゅうをカンポウのお見舞い代わりとアッシュ達用に二つ、昨日のうちに貰っていた。
いかりまんじゅうはあの湖付近の名産の為か、旅がてら買って行く者も多いのでかなり日持ちする上にポケモン達にも食べさせて大丈夫とのことだった。あちこち行く身としてはとても有難い。

アッシュの返答に頷いたレッドは手持ちのリザードンをボールから出すと、コガネシティに行く旨を伝えている。
レッドからの指示を受け、リザードンは任せろと大きく頷いて見せる。その様子を見てピカチュウも元気良く「ピカ!」と鳴き声をあげた。



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