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東リベにおけるヒロイン像―黒川イザナを基に―





東リベにおけるヒロイン像―黒川イザナを基に―


褐色、で思い出したのだけど。イザナと姫宮アンシーはどこか似ている気がする。

まずこの作品の第一前提として「男の子がヒーロー(王子様)として機能するためには、女の子がヒロイン(お姫様)でなければならない」が存在する。その最たる例が主人公・花垣武道。

彼は好きな女の子のために必死に戦う。逆に言えば、ヒナタがいなければ瀕死になるまで戦っていないだろう。そもそも、一生童貞のまま駄目人間として一生を終えていたのかもしれない。ヒナタ(お姫様)がいるからたけみっち(ヒーロー)は機能する。

柚葉のために兄を殴った八戒、赤音のために金を編み出す方法を生み出した九井、エマが死んだ後、マイキーを殴ったドラケン。皆、ある種の「ヒーロー」として動く裏で「女の子(=お姫様)」が存在する。

ここで勘違いしがちなのが「東リベに出てくる女の子強い説」。確かに「武道くんはヒナが守る」等「女の子である私が男の子を守る」という台詞が散見される。柚葉もエマも同等のことを言っている。

しかし実際にヒロインたちはヒーローを守れたか?答えはノーである。寧ろヒロインの身に何かが起こるからこそヒーロー達が動くのがこの物語の基本的な構造。柚葉も八戒を守ると言いつつ八戒も殴られ続けていたし、最終的に八戒がお兄ちゃんをボコる。

では、マイキーはどうだろう。
マイキーにとってドラケンはなくてはならない存在だ。マイキーはドラケンによって人徳を得た。しかし最終的な心の拠り所は妹であるエマだった。彼は妹を失ったことによって闇落ちした、と武道も解釈している。

東卍の後ろには、マイキーがいる。そんな彼だって、本来はタオルケットを抱えながら眠る少年なのだ。そんな彼を知った上で彼を支えていたのが、エマ。マイキーがヒーローとして動ける背景こそが、エマ。

そんなエマの位置を狙うのが、褐色の肌の少年・イザナ。望み通りその座を奪う(のか・・・?)。ただ現代ではマイキーが闇落ちしていること・その要因がイザナであることから、ゆくゆくはマイキーの心の拠り所=マイキーをヒーロー/王子様 として機能させるポジション

=お姫様 の座についたことには違いないのだと考えられる。
(ポジションとしての)王子様のマイキーと、お姫様のイザナ。この構造は、王子様としての天上ウテナとお姫様としての姫宮アンシーと非常に似ている。

ただ、ここで大きく異なるのが前者は男同士、後者は女同士であること。ウテナは女の子だから王子様になれない。たとえなれたとしても、「王子様」という機能自体は変わらないから、同じことの繰り返し。だからウテナは「王子様」

になることをやめ、そもそも舞台である場所から姿を消した。
(アンシーは、ウテナと出会う前は「王子様」を独り占めして「魔女」となった。「王子様」はうまく機能しなくなり、魔女は恨まれる。イザナはこっち寄りかな・・・) つまり、王子様が王子様としていられるのは「お姫様」次第。

対してイザナはどうだろう。自らマイキーにとっての「お姫様」を選んだ。男の子でも「お姫様」にはなれる。ただ、「王子様」と「お姫様」の機能そのものは変わらない。マイキーが闇落ちしたのは、マイキーの王子様としての機能を完全に奪ったから、ではないかと考える。つまりはイザナは魔女、もとい悪魔だ、と今の私は考える。

ちなみにこれは余談だけど、東リベってカプAの関係性をカプBに投影して考察することもできそうな気がする。ウテナじゃん。






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