渾名で呼ばれたい2


「渾名で呼ばれたい」

もういっそ本人直接言った方が早いんじゃないか。
そう思い、武器の手入れをしていたユーリの元へ参じた。

「…いきなり何だ」
「いきなりでも唐突でもないんだよ」

まぁ、ユーリに言ったのは初めてだったかもしれないが。

「別にエマだけじゃないだろ」
「リタはリタっちって呼ばれてるじゃん」
「おっさんにな」

そういえばレイヴンも人に渾名付けてたな。
私は普通に呼ばれてるけど。ユーリに渾名付けてもらったらレイヴンにも呼んで貰おう。

「私も愛称欲しい」
「急に言われてもなぁ」

特に悩む素振りもなく武器に集中する。
お願い事をする女の子を軽く遇らうんじゃないよ。
手入れが終わったのか鞘に収めると、何かを思いついたように顔を上げた。

「なんて呼ばれたいんだ?」

私に委ねるらしい。

「好きな様に呼んでやるよ。ほれ、言ってみろ」
「…ほう、言ったな?」

私としては愛称を考えて貰いたかったのだけど、仕方ない。それらしく悪どい笑みを浮かべてみた。

「ご主人様と呼んで貰おうか」
「却下だ」



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