04
破れている、と言っても肌がちらりと見える程度でそこまで悲惨なものでも無い。今の時点でも散々お世話になっているし、これから会う人の件でも更に迷惑をかけるに違いない。申し訳ないと断ったが、何だかんだと流され服屋に連れられた。
しばらく歩いていると雰囲気ががらりと変わった。先程までは建物の立派さや人の流れからまさしく帝都と言った感じだったが、此処はそれ程お金がかかっていないというか、それでも寂れているわけではなく人情の街といった雰囲気だ。温かみがあって好きだな、と思った。
店内はこじんまりとしていて、個人営業のお店らしかった。偶々そういう店に来たのか、そもそも大型の服屋は無いのか、元の世界とのギャップがどれ程なのか図りかねる。
女性の店員さんがフレンを呼ぶ。常連さんなのかな。
それから数回言葉を交わすとフレンが店を出てしまう。
戸惑っていると先程の女性店員さんにあれこれ服を着せ替えられ更に戸惑う事となった。
服を着替えて、破れた制服は貰った紙袋に仕舞う。店を出るとフレンが待っていた。
「服、ありがとうございます。すみません、お金出してもらって」
「どういたしまして。うん、似合っているよ」
「……」
普通に照れる。
男の人に洋服を買ってもらうのも初めてなのに、そんな事言われて顔が熱くなった。社交辞令だ。いちいち気にするな。
もう一度頭を下げて、後ろをついて行く。
服を選んでいた時、値段が気になって服と一緒に並んだ紙を見た。そこに書かれていた文字が全く読めなかった。言葉が通じているので勝手に文字もそうだと思っていたが違うようだ。
身元不明、読み書きはできない、常識知らず、こんなのでやっていけるのだろうか。帰れなかったら、と暗い思考で脳が覆われた。