番外編

22話



昼食時、どこに座ろうかとフラフラしてると毬江と笠原の姿が見えた。
肩をトントンと叩いて『毬江』と、声をかけるとパァっと明るい笑顔を返してくれた。
あぁ、我が癒し……

毬江の笑顔見ると疲れ吹っ飛ぶよーと、言いながら抱きつけばクスクス笑っている。

「2人とも仲良しなんですね」

『そう!小牧の紹介でね…あ、その本……』

「名前さんと小牧教官のオススメだとか」

『うんそうなの。楽しんでもらえた?』


嫌な思いしてないだろうかとずっと気になってたから聞くとスマホに肯定する文を書いてくれた。

「小牧教官と毬江ちゃん、お似合いだと思う」


そういう笠原に対し、何か文字を打って、わたしには見えないようにする。
でも、何となくわかる。まだ毬江は自信がないんだ。
これは、周りが言っても本人が自覚しなければならないこと。


複雑な顔をしている笠原を気づかぬふりして、『そういえば、親御さんとの食事どうだった?』と話を変える。

「え?!ちょっと聞いてくださいよ名前さ〜ん」

『えーなにー?』

そう、今はいい。今は……。










「笠原行っきまーーす」


今日はラぺリング訓練の日。いつも元気な笠原だが、いつにも増して元気なように見える。


『今日の笠原どーしたの?』

「なんでも今日は御両親は美術館に行くから来ないんだって」

『なるほどね〜……』


まぁ、そう簡単にはダメか……


「水を得た猿だな」

「……それ色々おかしくない?」


……アホだ


そんな会話をしていると警報音が聞こえる。良化特務機関が図書館に来ているという知らせだった。

ほんわかした空気が一変、一気に緊迫した空気に変わる。


良化隊がこちらに歩いてくるのを待っていると「小牧幹久二等図書正及び名字名前二等図書正はどこだ」と言う。


え、何……?
小牧と顔を合わせるが分かっていないようだった。



紙を見せてきて、内容は良化法違反、未成年者及び人権侵害の疑いというものだった。

「聴覚障害者に不適切な本を勧めたな」

『!』

「それ、毬江ちゃんでしょ?何が不適切なんですか?2人を訴えるはずありません」

「笠原」

それ以上言うなと堂上が止める。
私達を連行しようとする良化機関を笠原が邪魔をしようとする。

笠原までが連れてかれる。笠原、と声をかけ『大丈夫だよ』というと素直に従う。
前にいる小牧が堂上に何か伝え、次にこちらを堂上が見た。
心配そうな不安そうな顔で。

『…平気。悪いことしてないもん。後は頼んだよ』


笑顔で言っても、表情は変わらない。行くぞと声をかけられるので苦笑いで進んだ。






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