番外編
21話
「アホか貴様!!!!!!」
部屋に入った途端怒鳴り声が聞こえて何事かと思いきや笠原が堂上に怒られていた。
なにごと??
いや、怒鳴られるのはいつもだけど……
椅子に座った小牧をみつけ、『なに、どうしたの?』と聞くと、どうやら笠原の御両親がお見えになっていて、しかも笠原は防衛部の特殊部隊所属にも関わらず業務部と嘘をついていたらしい。
まったく、笠原は……。
「話すかどうかは置いておいて、見学ツアーに参加してもらったら?ね、名字」
「お前いつから……」
『さっき。そうよー、所属はどうあれ、御両親に仕事のこと知ってもらういい機会だし!』
「…………ダメですダメです…」
『でも、ああは言ったけど、笠原の気持ち分からなくもないのよね』
「は?」
『いやね、やっぱ娘が危ない仕事するって知ったら反対しちゃうものじゃない?』
「だからと言って黙ってて言い訳ないだろ」
『まぁ、そうなんだけどさ「すみません」』
呼び止められた方を見ると男性がこちらを向いていた。そっと、堂上は笠原の御両親だと教えてくれる。
父親のほうは堂上に任せて…
『こんにちは』
「あ、こんにちは」
『笠原さんの…お母様ですよね?』
「え、ええ、貴女は…郁の上司の方?」
『半分そう…ですかね。私は業務部ではなく、防衛部に所属しています』
「え!?防衛部!?さっき柴崎さんに説明してもらったけど…危なくないの?しかも女性なんて……」
『…正直なところ、絶対安全とは言えません。でも、私たちは本が大好きです。みんなにもっと色んな本を自由に読んでもらいたい。そういう思いから防衛部、業務部関係なく皆で本を守る為に戦っているんです。』
「……御両親は?反対しなかったの?」
『…しましたよ。でも、諦められなかった。その時は喧嘩もいっぱいしましたけど今では納得してもらえてます。』
「……そう」
ただ危ないだけじゃない。
戦いたいわけじゃない。
それでも、図書隊は…笠原含めた私たちは、戦ってるんだ。その想いを少しでも分かってもらえたら。
「あの」
後ろから声がかかったので振り向くと堂上と話していたお父さんだった。やりとりの笠原はハラハラした顔でこちらを見ている。
大丈夫だよ、言ってないから
話を聞いてみるとなんでも、お昼を一緒にどうかというお誘いだった。
『大変有難いのですが、私は遠慮しておきます。そちらの堂上は入隊してからずっとお嬢さんの直の上司です。折角の機会です、たくさん話を伺ってください。』
「おい、名字!」
「ちょっ、名前さん!!」
失礼します、と一礼して歩きだすと、笠原が腕をぐいっと引っ張って止めてきた。
『うわっと…何?』
「両親と堂上教官とご飯って!私身が持ちません……!名前さんも一緒に!!」
『…堂上も厳しいとこいっぱい言うけど、笠原のことちゃんと考えてくれてる。信じてあげて?』
「……はい」
行ってらっしゃいと背中を押すとしぶしぶ歩いていった。
そう、篤はちゃんと笠原のこと考えてるよ。
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