番外編

23話


どこかに連れられ着いた先ですぐに小牧とは別室に連れていかれた。

「調書を認めてサインしろ」

『………………』


絶対サインなんてしてやらない。良化隊の思い通りなんてしてやらない。

無視を続けていると顔に水をかけられる。水は人に浴びせるものじゃないっての。
後ろに立っていた人が無理やりサインさせようとするから拒否れば公務執行妨害だと言って拘束される。

どっちが公務妨害だよ。
…例え拘束されようが認めるつもりはない。小牧だって絶対認めるわけが無い。
何をされても。











一体どれ位たったのだろうか…行動は向こうに制限されていて時間感覚が失われた。
拘留期限は7日間。最後まで引き延ばすつもりなんだろう。


だんだん意識が朦朧としてきた…。
それもそうだろう。睡眠も食事もまともに取ってないのだから。実際には食べさせられそうになるが拘束されたままだ。『あんたらのあーんでは食いたくない。食える気がしない。』そう言って頭にきたであろう若そうな良化隊の男が殴る。その繰り返しだ。
仮にも女で年上を殴るとはどういう教育受けてんだ。
お母さんが泣いてるぞー


そういう思考がまわるだけまだ大丈夫なんだろうと考えるようにする。
何か考えていないとすぐ意識が飛びそうになるから。

私最近、“大丈夫”が口癖になってるな…と苦笑いを浮かべながら。



それにしても…小牧は大丈夫だろうか…

『…きは……?』

「あ?サインする気になったか」

『…こ…小牧はどうしたの……』

「…だいぶ弱ってるよ。いつダメになるか、お前がサインすればすぐに解放してやれるのにな。お前だって辛いだろ?」


ニヤニヤしながらそういう良化隊に嘘つけと睨む。
本気ならその顔やめろっての。

『嫌だね。誰がサインするかバーカ』

「調子のるのもいい加減にしろよ」


そう言いながら事情聴取という名の殴る蹴るを繰り返す。
何をされても絶対サインなんかしてやんない。するもんか。
サインをすれば毬江をただの障害者だからということを認めたことになる。
私たちは毬江に障害者だからあの本をすすめたわけじゃない。それを損に思ってる毬江に負荷ではないんだよ。毬江だって素直に生きていいんだよ。そういう思いから勧めたんだ。


一通り暴行が終わるのを待ち声を発する。

『あ…ない……』

「は?」

『あんた達には…一生分からないよ。分かるはずがない。だからと言ってあんたらに教えてあげるつもりもないけど。』

「…知りたくもない…椅子に座らせろ」



あー…あちこち痛い。
でも、堂上の腕ひしぎには……負ける。



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