兄さんがスティール、火神君がダンク。
流れるような連携に、歓声が沸く。


「すげーなマジ…特に黒子ってこんなだっけ…? 子供扱いされたのそんなに怒っちゃった?」
「そっスね…」

ーーガッカリダよ、弱くて…。キセキノセダイてミんな子供?

「やってもないのにオマエが言ーな…ってカンジじゃん? っスよ」
「くそっ…! 誠凛ってこんなに強かったか!?」


第1Qが終わる。点差は15点。

ベンチに戻ってきた選手に、タオルとドリンクを配った。


「マジすげっス! てか圧勝!?」
「何言ってんの! むしろここからが大変なのよ。黒子君! 交代よ」



ここからしばらく兄さんは温存だ。当然、攻撃力は落ちる。
その間、火神君がお父さん相手にどこまで耐えられるかにつきる。


「あの高さに対抗できる可能性があるのはキミだけなのよ!」
「まかせろ! っスよ!」


試合再開。
お父さんのシュートが高い。火神君の上から決められる。


「モう本気!! 負けなイ!!」
「ハッ、そうこなくちゃな。テンション上がるぜお父さん!」


日向先輩のシュート。距離が足りないのを、火神君が拾って投げる。


「オッケナイシュ!!」
「ナイスリバン!」


お父さんにボールが渡り、飛ぶ。けれど同時に火神君も飛んで。
お父さんは、ボールを投げることなくパスを出した。


……なんか、今。


「もう一度パパだ!」


再びお父さんへボールが渡り、火神君が飛ぶ。
……見間違い? いや、そんなことはない。
火神君がどんどん、高くなっている。


「くそっ…差がつまらねーっ!! なんだってんだ!」
「火神すげえ!! こらえるどころか全然負けてねー! カントク、特訓の成果出てるっスよ!」
「…え…と、てゆーか…ですぎ、かな?」
「え?」


黄瀬君が言っていた。
火神君はいつか、「キセキの世代」と同格になると。
その片鱗が、見えてきたのだろうか。

新協学園が3Pを決める。点差は一桁だ。


「黒子君! ラスト5分行ける!?」
「…むしろけっこう前から行けましたけど…」
「ゴメン! じゃゴー!!」


兄さんが出る。再びの消えるパスに、相手の困惑する声が聞こえる。


「最後まで気ィ抜くな! 攻めるぞ!!」
「ヤラ! 負けルのゼッタイヤダッ! おおお!!」
「キセキの世代にガッカリとか言ってたけど、チョーシこきすぎだね! アイツらの方が…断然強ーわ!!」


火神君が、お父さんのボールを弾き飛ばし。
試合終了。
誠凛の勝利となった。







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