それから少し経った日。
決勝リーグの出場校が、全て出そろった。
代表を争うのは、誠凛の他、桐皇学園、鳴成、泉真館。
この四校で代表を争うことになる。
「桐皇と鳴成は…初めて聞くな」
「鳴成は知ってる、古豪じゃん」
「なんか新鮮なリーグ表だなー」
「去年までずっと東京代表は三大王者で決まりだったからな」
「…思ったんだけどさー。その王者2校も倒したわけじゃん。今年はもしかして…行けちゃうんでないっ!!?」
「あ、コイツ…! 言いやがった!!」
「だって桃井ちゃんと青峰がいる王者に負けても残り勝てば……」
小金井先輩の気持ちは分かる。
けれど、それはかなわない。なぜなら、
「…泉真館じゃないわ。あの二人が行ったのは、桐皇学園よ」
「ええ!?」
そう。さつきちゃんと青峰君は、王者のところにはいっていない。
だから今回は、王者とキセキの世代のところ、二つに勝たなければならないことになる。
「千瀬ちゃん、説明を」
「はい。桐皇学園は過去の実績は殆どありません。ただ最近スカウトで全国的にも有名な選手を集めているそうで、青峰君を含めた今年のメンバーは秀徳並みの力を持っています」
「そんな…」
「センパイ! 泉真館はどうなんですか?」
「当然強い。正邦・秀徳と並ぶ王者だぞ。正邦・秀徳に勝ったとは言え、あくまで実力はこっちが格下だ」
正邦も秀徳も強かったのに、そのレベルの高校とまた二回、戦わなければならない。
勝つのは相当厳しい戦いになる。
「ウィース!!」
「あ、火神!」
「おせーよ」
「すっません、ちょっと掃除長びいて……」
「……?」
「……ちょいまち」
ほんの少し、歩き方に違和感を覚えた。
いつもと何か違う。足を痛めていたからそれだろうか。いや、それにしてもこの間より……。
「…火神君。バスケ…した?」
「え…いや」
「悪化してない…?」
「いやーその……ちょっと」
ビキ、と監督の血管が切れる音がした。
「こんのっ…バカガミがぁあっっ!!!」
「すんまっだだだっ!!」
「あっれっほっど! 言ったろーが!! その耳は飾りか! 空いてんのは穴か!? ただの!!」
「いててて」
「とりあえず保健室でシップもらってこい!! 今日は見学!! ダッシュ!! …はムリだから! 逆立ちで行け!」
「えっ!!」
火神君が監督に怒鳴られながら、本当に逆立ちして進んでいく。
大丈夫かな。今度は手首を痛めたりしなきゃいいけど。
「…すいません、ちょっとトイレいいですか」
「ああ…早くな!」
兄さんが体育館を出て行く。火神君の様子を見に行ったんだと思う。
火神君が理由もなしに無茶をするような人ではないと、知っているから。
「ったくもー」
「まぁまぁカントク…話戻そうぜ。とにかく初戦は?」
「火神君が不可欠だから怒ってんのよ。「キセキの世代」に対抗できるのは彼だけだからね」
「……ということは、監督。初戦の相手って、」
「そう」
私の言葉に、監督はこくりと頷いた。
「初戦は桐皇学園!! いきなり大一番よ!!」
最初から、青峰君と戦うことになる。
しかも相手チームには、さつきちゃんもいるのだ。
大変なことになりそうだ。私は早くも憂鬱な気持ちになった。
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