青峰君が、コートに出る。
桐皇の黒いユニフォーム。帝光の時に見た彼とは、全くの別人だ。
「……ようテツ、久しぶりだな。どんな顔するかと思えば…いーじゃん、やる気満々ってツラだな」
「はい、桃井さんと約束しましたから」
「ははっ、言いたいことは大体分かるけどな…。それはプレイで示すことだろ。…まあどっちにしろ、勝ってから言えよ」
「はい」
かつては相棒で、帝光の光と影だった二人。
それがもう、完全に敵対してしまったのだと知る。
分かっていたはずなのに。違うユニフォームを着てコートに立つ二人を見るのは、寂しかった。
「できるもんならな」
「やってやらー、すぐに見せてやる!」
そうして再開された試合は、アイソレーションの形状から始まった。
特定のプレイヤーがスペースを使いやすいような陣形。普通ならいくつか理由があるけれど、今日は見たままの理由。
つまり、青峰君と火神君、両チームエースの一対一だ。
向き合う火神君と青峰君。先に動いたのは青峰君だった。
レッグスルーからクロスオーバー。奇策ではないのに、速いだけで火神君をあっさりとおいて行ってしまう。
ヘルプに入った日向先輩を交わし、ダンク。
しようとして、火神君にボールをはじかれた。
「あん!?」
「止めたぁ!!」
「よーしゃ火神ィ!!」
「速攻!!」
誠凛ボール。皆がコートをかけていくが、その先に待ち構えるのは桐皇の6番。
「んなトロい速攻…おととい来やがれボケコラァ!!」
戻りも速い。そして先輩達の動きは読まれている。
だけど。
兄さんがボールを殴るように突き飛ばした。火神君しか取れない、イグナイトパスだ。
火神君にボールが渡る。
「いけ、火神――」
だけど先ほど同様、今度は青峰君がボールを弾き飛ばす。
火神君より後ろにいたはずなのに。やっぱり青峰君、速い。
『第2Q、終了です』
「ありゃ? 終わり? あー? アップがてらサクっと一本決めるつもりだったのに…なんだよそれ、ったく…」
「いいじゃねーか、オイ! 10点差つけられて、どんだけヒドイかと思えば…なかなかマシじゃねーの?」
青峰君は恐ろしい。味方なら頼もしいことこの上ないのに。
そしてもう一つ、恐ろしい理由。彼はまだ、本気を出していない。
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