それから一週間がたった。
部活が終わった後も、兄さんは居残って練習をしている。
けれどその顔は晴れやかじゃない。むしろ、悩んでいるといった方がいいかもしれない。
分かりにくい変化だけれど。青峰君との対戦、火神君からの決別。
それがあって何も思わないほど、兄さんは無感情じゃない。
居残りの際は、私も片づけを手伝うべく残っている。兄さんの様子を見ながら。
兄さんがシュートを投げる。リングにあたってはじかれた。
「わははは、聞いてた通りっつーか、ホントパス以外はからっきしなんだな」
後ろから声がした。
振り返る。そこには見慣れない顔があった。
「リコから試合のビデオ見せてもらったよ。いんじゃね? オレは好きだよ、キミのバスケ。間違っちゃいねー、ただまだ未熟、そんだけじゃん?」
「………」
転がったボールを、その人が兄さんに投げ返す。
というか、この人。
「…どちら様ですか?」
「ああ、まだ言ってなかったな名前。鉄平…あ、アメちゃんいる?」
「…結構です」
「あっそう?」
その人はアメをなめながら、にっと笑った。
「木吉鉄平」
それが、彼の名前だった。
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