皆が砂浜を駆ける。最初のころよりは負担が少なそうだけど、やっぱりきつそう。


「相変わらずしんどい…けど、ちょっとは慣れてきた…かな」
「にしても何かやるかと思ったら、何考えてんだカントク?」
「いや…そりゃたぶん、砂浜練習のアトだ」


そして、体育館での練習がやってくる。
けれどいつもの練習とは少し違って、


「今日から体育館練習は予定変更で、秀徳高校と合同練習よ!」
「えええ!? マジで!?」


やっぱり。
とはいえ緑間君達も驚いている。知らなかったんだろうな。

相手にとってはメリットが大きい。けれど、誠凛がこれを大きなメリットにするには、皆の努力がいる。
どうなるだろう。


「よおし、じゃあ始めるぞ」
「あ、火神君はちょいまち! ちょっとみんなの分の飲みもの買ってきて!」
「は? んなのマネージャーが……」
「何よ、女の子こき使うつもり? 心配しなくてもいいわ、砂浜走って500m先のコンビニまでだから!」
「なんで!?」
「でも重いだろうから一本ずつでいいわよ」
「それ何往復!?」
「みんな練習してるんだから早くね!」
「じゃあパシリさせんなよ!!」


本来なら火神君の言う通り、それは私の仕事だ。
けれど監督がわざわざ彼に頼んだということは、何か目的があってのことだろう。
私は私でやることもあるし。頑張ろう。












「改めて見るとすごいな…。一人一人の動きのレベルが違う」


練習が始まった。
始まってそうそう、チーム練中に兄さんと緑間君が対峙する。1対1だ。
一瞬驚いた緑間君。けれどすぐに兄さんからボールをとり、そのまま3Pを決めた。


「どういうつもりなのだよ黒子…? ふざけたプレイをするようになったな」
「ふざけてません。ただ…ボク自身がもっと強くなりたいんです」


兄さんの言葉に、緑間君は嘲笑を漏らした。


「笑わせるな。青峰に負けて何を思ったか知らんが、多少上手くなろうがオマエの力などたかが知れているのだよ。それを自覚したバスケをしていたはずだが…それでももっと頑張ればなんとかなると思ったか?」


緑間君の言葉は厳しい。でも正論だ。


「一人で戦えない男が、一人で強くなろうなどできるものか。思いあがるなよ」


一人で戦えない、男。
今の兄さんはパスを出すことしかできない。一人で戦えないと言われても仕方がない。

けれど、そこに成長のチャンスがあるとしたら。
兄さんの新しいバスケのきっかけは、そこかもしれない。








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