試合開始。


「桐皇は選手交代しないな」
「けどどんな奴でも、4ファウルなら動きはにぶる。大丈夫か?」


青峰君の気迫はすごかった。
黄瀬君のブロックを物ともせず、ガンガンに攻めまくる。
そのままシュートを決め、歓声が上がった。

先輩の言うとおり、ファウルが4つもあれば多少は気にするのが普通だ。
なのに青峰君は変わらない、どころか集中力が増している。
これが彼の真骨頂、「キセキの世代」と呼ばれる所以。

けれど黄瀬君も下がらない。青峰君と全く同じフォームでシュートをする。
青峰君が投げれば黄瀬君も投げる。青峰君が決めれば黄瀬君も決める。


「おおおお!!!」
「スゲェ!! 両者一歩も引かず…!!」
「なぐり合いっつーよりもはやとっくみ合いだろコレ!?」


どちらも一歩も引かない。一瞬も気を抜いていない。
時間が経つにつれ、会場は徐々に静まりかえる。
およそ9分もの間、一本も落とすことなく、両チームのエースは交互に点を獲り続けた。

けれど疲労はたまる。
黄瀬君の投げたボールは、リングの上を回って落ちた。


「入ったぁー!!」
「体力の限界か、あぶないゴールが増えてきたぞ」


試合の流れは一向に変わらない。
海常が追い、桐皇が逃げる。差は縮まらないまま、時間はどんどん減っていく。
中の選手の体力と精神がどれほど削られているか、想像もつかない。


「…桜井!!」
「あっっ」


桜井君に渡ったボールが、取り損ねられる。それを取ったのは黄瀬君だった。


「均衡が崩れた!!」
「海常チャンスだ!!」


おそらく、決まるのはここだ。


「残り一分、これを決めれば差は3P二本分。チームも一気に士気を取り戻せる。逆に落とせばタイムリミットだ。つまり…」


黄瀬君が、青峰君と向かい合った。


「事実上…最後の一騎打ちだ!!」









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