ウインターカップ予選、当日。
火神君がしゅるるると器用に左手でボールを操っている。


「おお〜。だいぶ上手くなったな、左手」
「まーな。メシとかも最近じゃもう左手の方が食いやすいぐらいだ」


頑張っているんだな、火神君。前もご飯を左手で食べる練習をしていたし。
……にしても、兄さん来ないな。ちょっと遅れるとだけ言われたけど、先輩達には内緒と言われたし。


「そろそろ行くわよ! 全員そろってる?」
「えーと、1,2…あれ? 一人まだか」
「あ、黒子!」
「あの…います」
「やっぱり!?」
「はい、最初から」


兄さん、到着したんだ。
ふう、と息を吐く姿。それはどう見ても、今来たばかりだ。


「いや今回はウソだろ! 焦ってギリギリセーフだな?」
「……」
「黙秘!?」
「マネージャー! どうなんだ!?」
「え!? えと……その、」
「千瀬」


しー、と。兄さんが人差し指を立てて唇に当てている。
こく、と私は頷いた。


「すみません、黙秘します」
「おい!」
「ったく…とにかく、全員そろったな。じゃ行くぞ! 忘れもんとかねぇな?」
「何言ってんのもう! それをこれからとりにいくのよ!」


そして歩み出した、誠凛高校。
目指すはウインターカップ出場だ。
















「みんないい? もう一度、ウインターカップ予選で私達がやること確認するわよ」


控え室に到着すると、監督の説明が始まった。


「予選出場校は8校。このうちから2校が東京代表としてウインターカップ出場権を得る。今日の試合でまず4校に絞られ、勝った4校でリーグ戦を行い、上位2校がウインターカップ出場となるわ」


けれどそれらの学校はすべて、夏に結果を残した学校。
試合数は少ないけれど、全て強豪との試合だ。


「今日の相手は6位の丞成高校! 絶対勝つわよ!!」
「おお!!!」







back


top
ALICE+