ウインターカップ東京代表を決める決勝リーグ。
出場校4校は、誠凛、秀徳、泉新館、霧崎第一となった。
「泣いても笑ってもあと3試合…ウインターカップの予選てあっという間ですね…」
「何言ってんだダアホ!!」
「え?」
「逆だ。やっとだろうが」
そう、やっとだ。
予選に出られるのは、夏の戦いで選ばれた上位8校のみ。
つまり、ウインターカップ予選はインターハイ予選と同時に始まっていたのだ。
「つまり、ウインターカップ予選ってのは夏から続く、最も長い予選なのよ」
「決勝リーグ緒戦の相手は泉新館!! 今まで二度も負けた相手だ、必ず勝つぞ!!」
「おお!!」
よし、と私も意気込む。
マネージャーのできることなどたかが知れている。それでも力になりたいのだ。
「火神君」
「あ?」
「この後、ちょっとつきあってもらっていいですか?」
「兄さん……?」
「千瀬はどうしますか、来ますか?」
「……例のアレの練習ですか?」
「はい」
「なら、私も行きます。いいですか?」
「はい、もちろん」
そして、バスケットコートに移動する。
「…で、なんだよ?」
「新しいドライブの、練習相手になってくれませんか」
「……!? オイオイ、まだできてなかったのかよ!?」
「千瀬にも練習に付き合ってもらって、ほとんどできてます。練習段階では。お願いしたいのは、仕上げの対人練習です」
「…なるほどな。いいぜ、来いよ」
夏からずっと、兄さんと一緒に練習してきたドライブ。
とはいえ私にできることは少ない。ビデオを撮りつつ傍目から観察して、改善点を述べていくくらいだ。
兄さんと火神君が向き合う。
ダムッとボールの音がして、兄さんが火神君を抜いた。
……が。
「ん?」
「あ」
肝心のボールが、火神君の前に残ったまま。
「っ何が「ほとんどできてます」だ!! すっぽ抜けてんじゃねーか!!」
「失敗です、すっぽ抜けました」
「だから今言ったよ!!」
「れ、練習段階ではできてました。たまたまです。ね、兄さん」
「はい」
「…ん?」
火神君がボールを見て、怪訝な顔をする。
皮が削れてつるつるのボール。使い込んだ証だ。
「このボールももう換えないといけませんね。体育館もっと使えたらいいんですけど…もうこれで6つ目です」
「!?」
火神君が驚いている。……まあ、そうか。
それだけ兄さんが、練習を重ねたと言うことなのだから。
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