決勝リーグ一日目。
泉新館との戦いは無事勝利した。
そして秀徳も、霧崎第一に勝ったという。

次の戦いは、誠凛対秀徳。
勝てばウインターカップ出場確定の、大一番だ。


「浮かれるヒマもねぇな。まず間違いなく、次は相当厳しい戦いになる」
「でも…!! 木吉先輩もいるし…こっちも前とは違うじゃないですか」
「前やった時も勝ったし…」
「……そうでしょうか」
「え?」
「だからこそ、次の試合は苦しい気がします」


兄さんの言うとおりだ。
前に勝てたのはもちろん努力もあるけれど、偶然も大きい。実力はあくまで秀徳の方が上だ。
けれど秀徳は、そうは思っていないだろう。きっと必死になって挑んでくる。
しかも。


「並の強敵ならまだしも「キセキの世代」がだ。ハンパじゃねぇぞ」


ごく、と皆が息をのむ。
それほどに、本気の緑間君は恐ろしい。

と、そのとき角の所に、誰かが座っているのが視界の端に映った。
特に気にすることもなく通る。かと思えば、木吉先輩が先に行っててくれと声を上げ、一人残った。


「木吉さん…何か忘れ物ですかね?」
「ん? まあ…そんなようなもんだ…」
「…あの、角にいた奴すか…」
「なんだ火神、気づいてたのか?」
「…かなりやるってことぐらいは…」
「まあ…隠すことでもねんだけどな」


中学バスケ界で最強と言えば、一年前まではキセキの世代の皆だった。
けれどその一つ上の代にも、「キセキの世代」と呼ばれたかも知れない、五人の逸材がいたという。
「無冠の五将」ーー木吉先輩を含めた彼らはそう呼ばれており、そして先ほどの人もそうなのだとか。


「わざわざ挨拶に残ったってことは、仲いいんですか?」
「逆だよ。そもそも木吉とは対極と言ってもいい奴だ。木吉を最もバスケットに誠実な男と呼ぶなら、奴は最もバスケットに不誠実な男だ」







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