五条さんとゲーム
ガチャ
「ただいまーって、何やってるの? そんなところにうずくまって」
いつもより早く帰宅した僕の目に入ったのは床にうずくまって落ち込んでいる様子の恋人の姿だった。
いつも明るいこの子にしては珍しい姿に不安を感じたがなるべく表に出さず問いかける。
「あ、悟くんおかえりなさい......実は今日はモ〇ハンの新作の発売日なの」
「あぁ、夢子はゲームが好きだったね。それで買ってきたの?」
「ううん、やりたくても環境がなくて......」
「それで落ち込んでたのか、本体買ってあげようか」
「記念日でもお誕生日でもないのにそれはダメ! 自分でそろえてパッケージを開ける瞬間も大事なの......」
「でもお前が悲しんでるのは嫌なんだけど」
なぜ落ち込んでいるのかわかり、命の危険があるほど深刻な事態ではないことに安心する。
だが悲しんでいることに違いはない、解決できることならすぐにどうにかしてあげたい。
「大丈夫......私は新しいモ〇ハンは遊べないっ、でも! 懐かしのワー〇ドは遊べるの! それなら同じMHW!!」
「え? それでいいの?」
「いいの! だからごめん悟くん、お家の事以外はストーリーのクリアまでしばらく部屋にこもります。いい機会だからア〇スボーン遊んでなかったからそっちを私はやる!! 遊びつくしてやる!!」
はぁ⁉ なにそれ!! この子にとってゲームはちょっと好きぐらいじゃないかもしれないとは思ったけどそこまで⁉
「え!? 嫌だ!! 家に帰ってきても夢子との時間がないなんて死んじゃう!!」
「こればっかりは譲れないの!! 本当にごめんね、頑張って終わらせてくるから」
「ヤダヤダヤダ!! なら僕も遊ぶ!! 一緒がいい!!」
「え? いいの? 無理に付き合わなくても」
「無理じゃない! ちょっと待ってて今P〇4とソフト買ってくる!!」
ガチャッ バンッ!!
「買ってきた!!」
「早ッ!?」
「これで一緒に遊べるね♪」
放置されるくらいなら一緒に遊んでやる! これならずっと一緒にいられるし話す内容も増えるもんね!
「!! 悟くん! 大好き!!!!」
「僕も大好き!! じゃあ飲み物用意して、おやつも出してリビングで遊ぼ♪」
「うん!!」
こうして僕たちは時間が許す限り、帰ってきたら二人で狩りに出かける日々を過ごすことになる。
これがこれから始まる僕たちのゲームライフの始まりだった。
2025 03.24