五条さんとひと狩り


 私はゲームが好き、子供のころから何歳になっても遊ぶんだと決めていた。
でもそれも悟くんとお付き合いしてからは隣に立てる人間になれるよう、趣味をなるべく封印して補助監督の仕事をがんばってきた。
忙しい悟くんの前で堂々とゲームで遊ぶのが申し訳ないのと、子供っぽいと思われるのが嫌だったから。
だから好きなのは言った事があったけどあまり目の前で遊んだことはなかった。
 でもあの日、どうしても新作が遊べない気持ちが爆発してしまい悟くんにひきこもる宣言をしてしまった。
気づいたときには勢いで行動に出してしまって、言った後に表には出さないように頑張ったけど本当はもしここで引かれたりしたら、最悪そんな事で家も悟くんも疎かにするなんてと思われて別れるなんて言われたらって考えてもいた。
 だけど悟くんはそんな反応じゃなくて、なんの躊躇も戸惑いもなく一緒に遊ぶ選択をしてくれた。
それから悟くんは暇さえあれば私の狩りに付き合ってくれている、最近は悟くんも純粋にゲームを楽しんでくれてる気がする。



「ただいま〜」
「悟くんおかえりなさ〜い、ご飯の支度もお風呂の用意も出来てるよ。すませたら今日もひと狩りいこう!」

 帰ってきた悟くんを出迎えながら、今夜のお誘いをする。

「もっちろん! 今日は何狩りたい? メインストーリーは終わったから、その後のクエストとアイ〇ボーンに向けてもう少し装備整えるために素材集めしたいって言ってたよね」
「そうなんだよね、今まで見た目重視で装備そろえてて、私のプレイヤースキルじゃちょっと厳しくなってきたから何とかしたいんだよ」
「いっそ当たらなければいいだけだと思うけど」
「それが出来ないの! なんで悟くんこの短期間でそんなに上手くなるのかな、そんなところまで最強なの?」

 悟くんは本当に成長が早かった、何より相手の動きを読むのが上手い。
普段の呪霊との経験がいかんなく発揮されてる気がする、そこは呪術師と私─補助監督─との差なんだろうか。

「挙動とか見てたら意外といけるよ、それにランスって動きが重いからちゃんと周り見るようになるし、どっちかというとガードからのカウンターが強味だから余計動きを見るようになるんだよ。でも夢子も結構いいと思うよ? 操〇棍って考えることも多いけど扱い慣れてきてるし、〇ノ・〇ーヴァまではちゃんと倒せたじゃない」
「ありがとう、でもあそこまではチュートリアルなの。その先が本番! まだ勝ててないコラボモンスターのベヒー〇ス、それに向けてやっぱりもう少しちゃんとしなくちゃ......ねぇやっぱり武器って扱いやすかったり火力があるのに変えた方がいいのかな、今の武器は好きなんだけどね......」

 これは最近本当に悩んでいる、まず前提として私は操〇棍が大好きだ。
使用回数が圧倒的にとびぬけている、というかほぼそれしか使っていない。
 対して悟くんはオールラウンダー、強いて言えばチャックスや太刀が好きみたいだったけど今はランスにはまってるみたい、派手さはないけど形状が男のロマンだとか。
悟くんに迷惑かけない様に強い武器に変えた方がいいのかな......

「ん? 変えなくてもいいんじゃない? 操〇棍は嫌われることもあるみたいだけど僕は夢子の操〇棍好きだよ?」
「え?」
「毒や麻痺の蓄積ちゃんとしてサポートしてくれるし、攻めるときは切り替えて部位破壊も狙えてる、猟虫も操〇棍が斬撃だからって最近打撃に変えてたでしょ?」
「気づいてたんだ」
「もちろん! そうやって周りをしっかり見て行動できる強味があるのは夢子にぴったりだと思うよ。ゲームだけじゃない、仕事や私生活でもキミがいつもしてくれてる事だ、自信もちなよ」
「悟くん......ありがとう。私もう少し頑張ってみる!」
「そうそうその意気! 生き生きとして遊んでる#夢子#が好きだからさ、周りの言葉に流されないで自分がやりたいようにやりな」
「! うん!!」

 どうしても武器やプレイヤースキルで嫌がられることもあるけど、それでも認めてくれる人はいる。

「よしっ落とせた! 逃がさないよ!!」
「ナイス! 流石空中戦は強いね!」

 それが一番好きな人なんだからとても嬉しい、いつもダメな時も励ましてくれて、失敗しても一緒に改善点を考えてくれる。

「ごめんね......もう少しスタミナ管理ができてたら落ちなかったのに、粉塵も使ってくれたのに本当にごめんね」
「気にしない気にしない。......ん〜そうだな、夢子はさ、焦ると長所の周りを見る力が発揮できてないから大変な場面こそ落ち着けるようにするのが大事だよ? 焦らず僕を頼ってよ、キミが立て直すまでヘイト集めるようにするからさ、次はこのクエストクリアできるように頑張ろう」

 一緒に遊んでるのに悟くんだけがどんどん上手くなるとゲームなら一緒に戦えると思ったのに置いて行かれるような気がして実はちょっと寂しかった。
けど、悟くんは私をおいていかないように待っててくれる。

「悟くん! そっち任せた! こっち手が離せない!!」
「任されました! あはは、複数狩猟は楽しいね!」

 それに私は応えたい。
繰り返しやれば出来なかったこともいつかできるようになるかもしれない。

「今日も楽しかったね!」
「キミが日々成長してるのが見れて僕も楽しいよ、コンボも綺麗にできてたし。......あのさ、忙しくてなかなか時間は取れないかもしれないけど、これからも一緒にモン〇ンだけじゃなくて他のゲームでも遊ぼうよ。高専の時は桃鉄で遊んだりしてたけどそれからは全くだったし僕あんまりゲーム分からないから教えて? それにどんな時のキミも好きだけど、ここ数日見てきた何も取り繕ってない遊んでる時のキミをもっと知りたいな」
「悟くん......うん、もちろん! いっぱい遊ぼ!」


私はゲームが下手だし好きなのを隠しちゃうけど、でもゲームが好きなのはやめられなかった。
悟くん、そんな私を受け入れてくれてありがとう。



「夢子はモン〇ン以外は何が好きなの?」
「えっとね、アクション系もいいけどRPGやAVGも──」



これからも一緒に色々遊ぼうね!



2025 03.24