第5話 焦りは最大のトラップ
〜コナン視点〜
仮面を付けた人間が上から落ちてきただと?!
まさか…?!
稚彩希さんとラウンジにいた人から、
人がレストランの銅像に落下したという話を聞いて
走り出そうとした。

が、稚彩希さんから待ったがかかった。
「何だよ?!稚彩希さん!早く行かないと!!」
「そんなに焦らないで。さっき救急車と警察が来たみたいだし。」
「でも!!」
急いで現場へ行こうとする俺を稚彩希さんは制する。
くそっ!こんなことをしている場合じゃ…
「…新一…。何をそんなに焦っている?
焦りは最大のトラップ。
人命に関わることほど、焦りは禁物だ。」
「…稚彩希さん…。」
「これから現場へ行くんだから、焦る必要はないんじゃない?」
「…え?稚彩希さん、俺を現場へ行かせないようにしていたんじゃ…。」
「俺は現場へ行くな、なんて一言も言ってないよ。
焦って走ろうとするから、待ったをかけただけだよ。」
んだよ、それ!



その後、警察が捜査を行い、死亡したのは俺たちと
同じツアーに参加していた江原時男さんと分かった。
捜査に来ていたのは、埼玉県警から異動して来た横溝警部だった。
以前俺たちと事件を捜査したこともあり、
バーで酔い潰れていたおっちゃんも
話を聞いて捜査に加わることとなった。
一見、江原さんが宿泊している部屋の21階から
誤って転落した事故死に見えたが、
江原さんが着ていた服は、闇の男爵の衣装。
そのネクタイの結び目が通常と逆向きに結ばれていたことから
殺人事件と断定された。


俺はおっちゃんや横溝警部たちと一緒に
捜査へ乗り出そうとしたところで、
蘭に捕まってしまった。

2016.7.31



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