第2話 仲間として繋ぐモノ

集合場所に着くと、すでに由良が待っていた。
(しっかりしなさい、いの!女は度胸よ!!)
いのはそう自分に言い聞かせた。
「あの…。」
すると自分の言葉を遮って、由良が言った。
「…おはよう。」
いのは一瞬何を言われたのか、わからなかった。
チームを組んで数日経つが、
由良から挨拶してくることがなかったからだ。
「……それから、ごめんなさい。」
由良の言葉に驚いたのは、いのだけではなかった。
3人とも呆然としてしまっていた。
その様子に由良は首を傾げた。
「あの…。」それに3人は我に返り、自分たちもごめんと謝った。
「ううん、私こそ言い過ぎたわ。ごめんなさい。」
「僕も、ごめん。」
「俺も悪かった。」
するとお互いに顔を見合わせて笑いあった。
由良は少し微笑んでいるように見えた。
そんな様子をアスマは物陰から見守っていた。

『まずはおはようって言ってやれば良い。
そこから始まるんだから。』
昨日、アスマは由良にそう言った。
だが由良の言葉はそれだけではなかった。
それが4人の心を本当の仲間として繋いだのだ。


第二話  仲間として繋ぐモノ  Fin.

2016.7.7




|
novel top
ALICE+