集合場所に着くと、すでに由良が待っていた。
(しっかりしなさい、いの!女は度胸よ!!)
いのはそう自分に言い聞かせた。
「あの…。」
すると自分の言葉を遮って、由良が言った。
「…おはよう。」
いのは一瞬何を言われたのか、わからなかった。
チームを組んで数日経つが、
由良から挨拶してくることがなかったからだ。
「……それから、ごめんなさい。」
由良の言葉に驚いたのは、いのだけではなかった。
3人とも呆然としてしまっていた。
その様子に由良は首を傾げた。
「あの…。」それに3人は我に返り、自分たちもごめんと謝った。
「ううん、私こそ言い過ぎたわ。ごめんなさい。」
「僕も、ごめん。」
「俺も悪かった。」
するとお互いに顔を見合わせて笑いあった。
由良は少し微笑んでいるように見えた。
そんな様子をアスマは物陰から見守っていた。
『まずはおはようって言ってやれば良い。
そこから始まるんだから。』
昨日、アスマは由良にそう言った。
だが由良の言葉はそれだけではなかった。
それが4人の心を本当の仲間として繋いだのだ。
第二話 仲間として繋ぐモノ Fin.
2016.7.7