第4話 語られる力
「でも、由良のおかげで楽勝だったわね、今回の任務。」
「いつもこんなに早く終わったら、毎回沢山食べれるね。」
「由良は何でも有りね〜。」
いののその言葉に由良は首を傾げた。
「だってそうじゃない!この前もアスマ先生が捕まった敵を倒したし、今回はターゲットを捜したのは由良の力でしょ?」
「そんなことない、何でもはできない。」
由良の言葉にいのは納得できなかったが、アスマの言葉で話題は逸れていった。
「由良は、感知タイプだな。」
「感知タイプ?」
「あぁ、お前の聴力は良い武器になるぞ。」
アスマは笑って褒めた。だが由良にとっては複雑だった。
昔から本当に様々な音や声を聴いてしまう由良にとって煩わしいものでしかなかった。
『この世に偶然はない、あるのは必然だけ。
お前がその力を持って生まれてきたことには、必ず意味がある。
だから持って生まれた力を受け入れることを覚えろ。』
そう師に教わった由良は力を磨くことを怠りはしなかった。
だが持って生まれた力が好きかと聞かれればそうではないのだ。
「じゃ、あれじゃない?」
いのの突然の言葉に一同は首を傾げる。
「あれって何だよ?」
「ほら、あれよ。由良が敵を捜して、チョウジが突っ込んで、私とシカマルで敵を捕まえる!これでフォーメーションが完成よ!!これで父さんたちにも負けないわよ!!」
「フォーメーションってイノシカチョウだろ?」
「父さんたちのとは違うんじゃない?」
シカマルとチョウジはいのの言葉を聞いて顔を見合わせる。
「何言ってんのよ!由良はいろんな音で敵を捜すことができるんでしょ?おまけに呪術でバックアップもできるから私たちは敵に集中しやすいじゃない!イノシカチョウに入れないでどうするのよ!!」
それに3人よりも4人の方が強いじゃないかといういのの言葉はアスマの笑いを誘った。
「ハッハッハハハハハ!!いいな、それ。」
「確かにお前らの親父さんたちのフォーメーションはすげぇ。けど、親は親、子供は子供だ。
お前らはお前ら自身のフォーメーションを作れば良い。由良をバックアップにイノシカチョウのフォーメーションを作るのは良い案だ。」
アスマの言葉に由良は呆然としていた。
今まで自分の能力を気味悪がる人ばかりだった。だから由良は能力を隠すことを覚えたのだ。
だが、このチームは…。
「ちょっと!由良!聞いてる?」
いのの呼びかけに由良は、え?と我に返った。
その様子にシカマルは呆れたように溜息をついた。
「だから、もっとお前のできることを詳しく教えろよ。」
「由良の能力をちゃんと知っとかないといざという時困るもんね。」
「あとはどんなことができるの?」
3人から質問攻めだ。でも、悪くない。
由良は師匠の言葉を思い出していた。
『今はその能力で苦しいかもしれない。でもいつか能力とは関係なくお前の存在を受け入れてくれる奴が現れる時が来る。』
(師匠、師匠の言ってたのが彼らなのか、今はまだわかりません。
でも、彼らを信じてみたい…そう思い始めています。)
第4話 語られる力 Fin.