簓に水着を見せたら

「ただいまーってどうせ誰もおら…」
「あー簓おかえりー」
「って何で自分おんねん」
「盧笙の家にしょっちゅう不法侵入してる奴がよく言うよねー」

仕事を終えて帰ってきたら部屋の電気は煌々とついとって
ソファーには我が物顔で寛ぐなまえがおった

なまえは俺と盧笙の腐れ縁ってやつで付き合いも長い
俺が盧笙の家の合鍵を沢山持ってるようにこいつも俺の部屋の合鍵を勝手に作りよってこうして勝手に邪魔してる事がそこそこの頻度であった

「で?今日は何の用や」

俺も人の事言えへんがこいつも大概どうでも良い理由でうちに来よる
何ならうちの日当たりが良いって理由だけで来たりもする
猫か何かか

「それなんだけどー」

なまえはソファーから立ち上がり、徐に俺の方へ歩いてくる
そして目の前に来た所で唐突に自分の服に手を掛けた

「ちょっ?!まっ、なまえ何してっ…!!」
「はいっ、よく見てー」

シャツを捲りあげ、ズボンまでずりおろし
俺に見せつけて来たのは派手な色をした…下着?

「水着買ったんだよ水着ーどう?イケてるしょ?」
「ビビらせんなや…」
「下着の方が良かった?」
「やかましいわ!」

一瞬下着かと思ってドキドキしてもうた
いや水着でもドキドキしてしまうんやけど
そして相変わらずなまえは細い
俺と盧笙であんなに食わしてやってんのに何処に行ってんのや
その立派な胸か、俺らのお陰かそのダイナマイトボディは
あと部屋の中で水着ってえらいエロいな

「ど?似合う?似合う??」
「…まぁ、似合っとるわ」
「ちゃんとこっち見て言いなさいよ」
「見とるわ!糸目やから分かりにくいだけやろ!ちゃんとよー見てるわ!」
「ホントぉ?怪しいなあ」

悔しいくらいホントに似合っとる
仕事柄綺麗な姉ちゃんは沢山見るし会うけど
正直俺はなまえが一番可愛いと思うし綺麗だと思う
あとスタイルが良い
何でお前芸能界おらんの、マガジンのグラビア飾れや

「てな訳でさープール行こうよプール!」
「あのなあ…俺かてなまえとプール行って遊んだりしたいんやけどな
一応俺芸能人やねん」
「うん」
「顔もろくに隠せんプールになまえと一緒におる所を誰かに見られたら色々困るんよ」

本音を言うと滅茶滅茶行きたい
なまえと一緒にプール行って一緒にウォータースライダー乗ってそのおっぱいを俺の背中に押し付けて欲しいし
なまえに寄って来たナンパをわいの女に何か用か?って言ってうわ!白膠木簓やん!って言われたい
なまえはホント可愛いやろってSNSでマウントも取りたい
でも出来へん、俺今をときめく白膠木簓くんやもん

「ふーん」
「ふーん、て!俺の言うてる事分かっとる?!」
「うんうん、分かった分かったじゃあさ」

相変わらず人の話を聞いてるんだか聞いてないんだか分からんが
なまえは少しだけ考えて俺の耳元でそっと囁いた

「お部屋の中にプールもあるホテルに遊びに行く?」
「は?プールが部屋の中にあるホ…」

プールがあるホテル、じゃなくて
屋内ではなくあえて部屋の中にプールがあるホテル

意味が分かるまで少し時間がかかった

「アホかー!!!そっちに行く所見られる方がよっぽど言い訳出来んわ!!」
「えーザンネーン、じゃあ大人しく盧笙と一緒にプール行こーっと」
「それもあかーん!!!」

何時かなまえとコソコソせず一緒にプール行ったり
それこそラブホに行ける仲になれればと思うが
なかなか道のりは遠そうや


「いっその事さー盧笙も天谷奴さんも誘って皆で海行くのどうよ?」
「…まあそれが一番ええかもな」
「んじゃ決まりーっ♩」
(…あんま他の人に見せたくないんやけどな…)