(親が金持ちなのかなー…)
案内されたお風呂はこれまた広く
ラブホ位あった
しかしやはり男二人暮らしだからか
所々掃除は甘い
(明日お礼に掃除してあげよっかな)
とりあえず今はそんな気になれないから
湯船に体を沈めぼんやりと考えた
(…でけーよ)
お風呂上がり、アツシのはでかいから俺のだけどと渡されたジャージ
高校時代のらしいが私には明らかにでかい
裾も袖も余っている
紫原君のせいで気付かなかったけどあの子
氷室辰也と名乗った子もでかいんだな
最近の子は発育が良いな
どうせなら私もモデル並の身長が欲しかった
「お風呂ありがとーさっぱりしたー」
「○○ちんほこほこだねー」
リビングに戻るとソファーでくつろぐ二人がいた
私がお風呂に入ってる間に着替えたらしく二人とも部屋着姿だ
「俺のでもやっぱりでかいね
ごめんね、でもそれしかないんだ」
「いや良いよ突然だったしね」
私にしてみれば貸して貰えるだけでありがたい話だ
たとえ袖や裾をまくる羽目になったとしてもだ
「○○ちんって化粧落とすと幼いねー
俺たちと同じくらいー?何歳なのー?」
ぼりぼりとまたお菓子を食べながら紫原君が女性には禁句である話題を持ち出した
そろそろ年齢を答えるのも躊躇う年なんだがなぁ
「…25」
「あー、やっぱおねーさんだった」
「25か…」
「氷室君、あまり哀れみの目を向けないで…
私が一番自覚してるから…」
紫原君の反応は薄いものだったが氷室君の反応は少し辛い
世間では結婚してもおかしくない年だと言うのに本当に私は何をしてるんだか
その後は寝るまで少しだけ話をした
私の荷物の大半はとりあえずトランクルームに預けている事
二人は同じ大学でバスケをしている事
見ての通り部屋は余ってるからしばらく居て良いとの事
男二人は家事が疎かになりがちだからそこをやってくれたら嬉しい事
出来る限り早くこの事態から脱出したいが当分甘える事になりそうだ
住所不定だと就活も難しいでしょ?
そう氷室君が苦笑いを浮かべた
まさにその通りだからだ
個室をあてがわれたものの
相手は年頃の男子二人だ
お互いの為にも隙は見せないようにしよう
ある程度話をして紫原君が頭を垂れ始めたので今日はお開きとなった