05

「すごーい、綺麗になってるよ室ちーん」


大学から帰ってくると部屋が綺麗になっていた


「物とかは捨ててないから
あと君らの部屋は触ってないから、掃除して欲しかったら見られたくないものは隠しておいてね
掃除しとくよ」


大学に近いからと転がり込んできたアツシとのルームシェアは高校時代の寮生活もあってか
特に苦には感じなかったがやはり男二人の生活では家事は疎かになりがちだった

そこにアツシが昨日拾ってきたみょうじさんが新たに仲間入りし
家事を率先してくれたのがやはり女性らしく俺たちとの家事のレベルとは違った


「晩ご飯、カレーだけど許してね
君たちがどんだけ食べるか分からなかったからさ」


ちゃんと人参はすり下ろしてあるからの言葉にアツシは喜んでいた
入っていないのが一番だが気にしないで食べられるようしてくれた配慮が嬉しいらしい

部屋も綺麗になっているしお風呂もわいていて食事も用意されている
これは至れり尽くせりだ

用意されたカレーは付け合わせのサラダにフリッターまで用意されている

これくらいはしないとね、と彼女は苦笑いを浮かべたが彼女の仕事は男二人には十分すぎた


アツシと俺の食事を見てやっぱり男の子はよく食べるねーと
心なしか嬉しそうに見えた


「ねーねー○○ちん、弁当も作ってよ」

「こらアツシ、いくらなんでも我が儘だぞ」

「別に良いけど君らの食事量に見合う弁当作れる気しないよ?
ふつうの弁当箱じゃ足りなくない?」

「足りなかったら学食も食べるしー」

「…それはそれでどうなんだろうね?」


少し位冷凍食品が混ざっても良いなら作ってあげるから自分好みの弁当箱を買っておいでというみょうじさんの提案にアツシは喜んだ

さて、見るからにアツシはすでにこの人に胃袋を捕まれたようだが果たして今後どうなるやら