リオが精通した朝の話 


「なまえ、どうしよう…」

ある朝、僕の身体に異変が起きた。僕は怖くなって、一緒の布団で眠っていた君を起こして泣きついた。

「僕の身体、おかしくなっちゃったのかな…」

それは今までにあった勃起に比べるとここまで腫れたことはないほどの大きさで、当時未だ知識も何もなかった僕達には、恐ろしい病気のように思えた。
僕が泣くほど怖かったのは、病気になってしまったことへの恐怖だけではない。君と同じでありたい僕とって、勃起することは僕にしか起きない部位でのことで、君と違う身体なのだということを見せつけられているようでいつも嫌だった上、それがもっと酷くなったからだ。

「…ここが、変なの?」
「ん…起きたら、こんなになってて…」
「見ても大丈夫?」
「わかった、脱ぐね…」

僕はできるだけそれを刺激しないように、ゆっくりとズボンと下着を下げる。途中までは竿が下着のゴムに引っかかっていたものの、ある程度まで下げると竿が飛び出すようにぶるんと跳ねて、上を向いた。
それは僕自身も見たことがない状態だった。普段は皮を被っている竿の先から、剥いてもいないのに赤い色をした亀頭が少しだけ顔を出していて、見るからに中のものが大きく腫れているようだった。初めて見る勃起した竿が、本当に恐ろしいもののように思えた。

「腫れてる、のかな?痛くない?」
「す、少し痛い、かも…」

はち切れそうなくらいに大きく腫れたそれは、本当に痛いくらいに膨張し続け、時折びくびくと痙攣していた。君に見られていることによりさらに興奮して膨張していることに、この時は全く気付いていなかった。

「おしっこしたいとかじゃないの?」
「い、いつもはこんなにおっきくならないよ…」
「じゃあ寝てていっぱい我慢したとか?」
「そ、そう、なのかな…」

僕達は部屋を出て、竿を隠しながら、一番近くのトイレまで向かった。僕だけが個室に入り、いつものように出せないか試みた。しかし暫く力んでみても、待てども待てども尿意が来る気配はない。

「なまえ、やっぱり、出ないよ…」

個室の扉の前で待たせていた君を呼んで、もう一度見てもらう。

「ごしごししても出ない?」
「ごしごし?」
「リオがここ洗うときによくやってる」
「そ、そんなところ見てたの!?」
「リオだって私の見てるじゃない」

ここを洗う様子を君に見られていたのは少し引っかかるけど、確認のために竿の真中あたりを握って、少しずつ、亀頭に被っていた皮を下げていく。見た限りでは掃除の必要はない、と思う。

「触っても平気なの?」
「皮の方なら、まだ…」
「ちょっと触っていい?」
「え、で、でも、汚い、し…」
「昨日もお風呂入ったし大丈夫だよ」

誰にも触られたことのないそれを、君の指が触れた。その場所から、ぞわっとした感覚が全身に伝わる。そのまま、君の手が僕の竿を優しく包んで、僕が先程皮を下ろした時のように、握った手を上下に動かした。強い力を入れられているわけではないのに、竿がもっと痛くなり、動かされている感覚が全身に伝わる。

「だ、大丈夫?痛い?」
「…だ、大、丈夫…」
「大丈夫そうじゃないけど…」
「もっとして」
「え?」
「もっと、強くごしごしして…」

君の手が動かされるたびに、頭がボーッとして、全身に伝わるぞわぞわが、何故か気持ちいいように思えてきた。自分で触っている時とは全然違った。僕に言われた通り、君が少しだけ力を入れると、そのぞわぞわも大きくなり、さらに気持ちが良くなった。
そして、その気持ち良さに気を取られているうちに、今まで忘れていた尿意が一気に襲ってきた。

「…で、出そう…」
「え、本当?」
「だ、だめ!まだ、ごしごしして…」
「自分の手じゃだめなの?」
「なまえの手がいいの…」

僕の竿を握っている君の手を上から掴んで、今までより強く、速く動かした。

「…っふ、あぁ、あ…!」

溜まっていたものが竿から噴き出すと同時に、頭が真っ白になった。手を止めずに上下に動かすと、残りも沢山溢れてきた。
しかし、先程まであったのは尿意だったはずなのに、出てきたのは液体というよりゼリー状のもので、においも少しツンとした、嗅いだことのないにおいだった。ここから別のものが出るなんて、やはり何かの病気だったのでは、と再び怖くなったけれど、

「……あ、腫れてたの、治ったよ!」

君のその一言で、この処置は有効だということを知って安堵した。
それから、これが精通だと知るまでの暫くの間、僕が勃ってしまった時は君を呼んで、抜いてもらうようになった。
 
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