「なんか結構汗かいてるなあ…」
肌に貼り付く生地が不快。ものすごく不快。
部屋でご飯も食べて回復したあたしは、パタパタと手で自分を煽った。
今しがた、面倒をみてくれたダンデさんと様子を見に来たホップが出て行ったところだ。
ユウリはもう帰ったらしい。とても心配していたそうなので、明日ちゃんと会いに行こ。
「着替えよ」
ヌメたはまだ寝ているので、起こさないよう静かに立ち上がる。
タンスに行く時間も惜しくて、その場でさっさと脱ぎ捨てた。
はーやれやれ。これだけでもだいぶ違うわね。涼しい。
「そうだナナシくん。ジムチャ…」
「……」
「……」
「……」
中途半端に扉を開いた状態のダンデさん。
その後ろにいるホップ。
ベッドの傍で下着姿のあたし。
「……」
「……」
「……」
え、なにこの沈黙。ダンデさんもホップもフリーズしてる。
あたしは別にフリーズしてないんだけど、空気読んで黙ってみた。
二人ともまだ固まってる。いやこれどうすりゃいいのさ。
「……きゃーえっちー」
「すっすまない!!!」
「ごごごごめん!!!」
棒読みでそれっぽいこと言ってみた瞬間、もの凄い勢いでドアがバタアアン!!と閉められる。
ちょ…今の力強すぎない?ドア壊れてないよね…止めてよ不用意な破壊行動は…
「ンェア…?」
「あ、ヌメた起きた?それじゃ一緒にお風呂入ろっか」
「メア〜!ヌメェ♪」
大きな音で目覚めたヌメたはしょぼしょぼしていたが、お風呂と聞くと一気にヌメラスマイル。
このコお風呂好きなんだよね。水遊び好きだし。ヌメラだもの。だからよく一緒に入る。
冷たいシャワーをかけてあげると、それこそキャーって感じにはしゃぐのがたまらん。
「準備してくるからちょっと待っててね」
「メリャリャ♪」
いったん上だけ着た後、替えの服を持ってバスルームへGO!
ヌメたはボウル移動だから、両手塞がっちゃうのよね。
いや片手で持つこともできるんだけどさ。一応落とさないように両手でね。
「……」
「……」
「ええー…」
まさかの。ダンデさんとホップが、手で顔を覆った状態で廊下に佇んでいる。
さっきからずっとそこにいたんですか?なにゆえだよ…
「あのー何してるんですか?二人して」
「いや…その…謝らなくてはと…」
「み、見てない…見てないから…」
へえーホップはそういうこと言っちゃうんだ?ばっちり目ぇ合ったのに?
赤面しているピュアッピュアボーイズにいじわるしたくなってきた。
あたしはホップの前に移動。微妙にギクリとしてるの、かわいいですねー
「うそ。ホップ、あたしの下着姿見たでしょ。えっち」
「っな!わ、わざとじゃな…!」
「ほら、やっぱり見たんじゃん。嘘ついちゃいけないんだ〜」
まだ顔を隠しているホップの腕をつんつんすると、勢いよくバッ!と背を向けられた。
そんな照れるか?かわいくもなんともないただの黒い下着で。
まあ思春期だからね。しょーがないね。かっわい〜
「ナナシくん…その…すまなかった…」
「ダンデさんは男らしいですねー…って謝るならあたしのこと見てくださいよぉ」
「っっっ!!!」
同じく顔を隠して天井を仰いでいるダンデさん。
謝る時はちゃんと目を合わせなきゃいけないんですよ?
腕は遠いので、無防備な脇腹をつんつん。
めちゃくちゃビクッ!てなった。あーん、楽しいー!
あたし男の人にいじわるするの大好き。だってかわいいんだもん。
「わ…わかったから…ナナシくん、すまなかっ…なっ、なんだその恰好は!?」
「え?」
「!?なんでまた下履いてないんだよ!!!」
んもう。急に騒がしくなったぞ。忙しい人たちめ。
大体ホップはまだしも、ダンデさんは過剰反応すぎやしませんかね。
こんなツルペタボディのどこに赤面要素があるんだ。
まあこの歳にしては割と発育いい方だけどさ。
でもほんとはもっと巨乳ですからね!もっとイイ身体してたんだから!
「これからお風呂入るし」
「ズボン履けよ!」
「んもう、ホップは細かいなあ」
「頼む…早く風呂場に行ってくれ…」
耳まで真っ赤になりながら、あたしにやいやい言うホップにまた上を向くダンデさん。
この純情男子たちめ。裸に遭遇した日は倒れるんじゃないだろうか。逆に心配である。
「一緒に入る?」
「は!?は、入るわけないだろ!」
「頼む…早く…早く行ってくれ……」
まあこんなところにしておきますか。楽しかったし!
それにしても耐性なさすぎ。つけてあげようかしら。
いや痴女になるから止めておこ。こういうのはハプニングだから楽しいんだし!
「ヌメ゛ーリャ!ンメェ゛!」
「あっ、ヌメたが催促してる。お風呂準備しなきゃ」
「まだ入らないのか!?」
「準備しに行く途中でしたけど…」
「ズボン履けよ!」
んもう。ダンデさんもホップも声大きいな!うるさいですよ!
「えい」
「「!!!」」
二人同時に脇つん。お、どうやら効果抜群ですね〜
一瞬にして静かになった。というか石化した。
うん、これは今後も使えるな。弱点は脇腹、メモメモっと。
「あたしはこれからヌメたとお風呂ですから。男の子は外に出てくださーい」
固まってるピュアッピュアボーイズの腕を引っ張って階段まで誘導。
湯気が出そうなほど赤くなった顔をそのままに、兄弟揃って階下に降りて行った。
さてと、ヌメたを待たせちゃ悪いし、さっさと準備して一緒に入ろ。
「ンメェァー」
「シャワー気持ちい?」
「ヌン♪」
「そういえばヌメたくんは脇つん効くのかな〜?えい」
「?」
「ここ脇じゃないのか…」
おまけ