ちょっと待って、これって夢だよね?
違う?違わないよね、だって夢でもなきゃありえないよね?
あああでもあたしポケモンの世界に来たしありえるの何これいったい何なのこれ
「いやー!!!」
嘘でしょこれ夢なら早く起きてよ!?
「ナナシ!?どうしたんだ!大丈夫か!」
やばい。ダンデさん起きちゃった。
てことは本当にこれ現実ってこと!?
いやちょっと待って!?え!?
あまりにも有り得ない事実に、頭の中が真っ白になる。
こんなに混乱したのは人生で初めてかもしれない。
「ナナシ、どうしたナナシ!くそっ、開けるぞ!」
「ちょちょちょちょっと待ってください!絶対開けちゃダメ!」
トイレの扉を破壊しそうなダンデさんの勢いで我に返る。
慌ててノブを握り締めた。今はガチで来てほしくない。
「ナナシ。いったいどうしたんだ?何があった?」
「何でもないです!戻って寝てください、大丈夫ですから!」
返事をしたことで、ダンデさんも安心したらしい。
先程と違う落ち着いた声がドア越しに聞こえる。
でもあたしはさっきから冷や汗が半端ない。
早くベッドに戻って寝てくださいお願いします。
「大丈夫だと言うなら出てきてくれ」
「それは無理です」
「なら俺も動かないぜ。顔を見るまではな」
「ええええええ」
頼むからまたおねんねしてくださいよ!明日もお仕事でしょ!?
あたしだっていつまでも籠っているわけにはいかないのだ、何としてもこの場を離れてもらわなくては。
「具合でも悪いのか?」
「そういうわけでは…」
「なら俺に言えないようなことか?」
「…それは…」
「……そうか。もし男に言い辛い話なら、ソニアやルリナに連絡を」
「ダ、ダメです!それはもっとダメ!!!」
それはガチで無理!女の人とかもっと無理!!
でも男の人でも無理!みんな無理無理無理!
しかも夜中だし!迷惑にもほどがあるってああもうそんなことどうでもいいわ!
「…本当に、どうしたんだ」
「……」
「ナナシ」
コツンと小さな音がする。カタッと扉が揺れる。
沈黙のせいか、やけに大きく聞こえた。
「頼むから、顔を見せてくれ」
「……」
「…不安なんだ」
らしくもない、消えそうな声が胸を締め付ける。
あたしだってふざけてるわけじゃないんです。
でも、でも、こんなのって。
「ナナシ」
ああもう。
どうしろっていうんだよ、ちくしょう。
「ナナシ!!よかった…!」
乞うように額を当て、どれくらいの時間が経っただろうか。
中で物音がした直後に恐る恐ると開かれたドアの向こう。
いつもと寸分違わぬナナシの姿に安心したダンデは勢いよく彼女を抱き寄せた。
「心配したぞ!本当に何ともないのか?ああ、よかった」
「……いえ、あの…」
「ナナシ?どうしたんだ?さっきから変……ん?」
「あ!」
「…???」
違和感。
華奢な身体をいつものように強く抱き締めていたのだが。
何かがいつもと違っている。
正確には、下半身の感触がおかしい。
「…ナナシ、これは…?」
「そんなの!あたしが聞きたいですよぉっ!」
弱り切ったナナシの股間。
不自然な膨らみが主張していた。
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