「実は俺も眠くてな。キミを口実にさせてもらうぜ」
「そうだったんですね。それじゃ一緒にお昼寝しましょ」
ダンデに気圧され寝床に入ったナナシは大人しく、まさに借りてきたチョロネコだった。
コロンとこちらに背を向けて動かなくなる。素直に休んでくれるようだ。
やれやれ一安心、とダンデもウトウトし始めた頃。
(ん………??)
衣擦れ。ちょっとした振動。
「っ、ん、っっ♡」
(!?!?……!?)
吐息に交じる独特の甘さ。
彼女は必死に声を押し殺しているが、生憎効果はない。
「っ〜〜〜♡♡」
本来ならば、このまま何も知らない振りをしてやるのが正しい対応というものだろう。
だが、この時ダンデにその考えは浮かばなかった。浮かんだのはただひとつ。
「もう終わりか?」
とても“美味しそう”だな、ということ。
「んっ♡」
「まさかキミがこんな事をするなんてな」
「ぅ〜〜♡」
赤くなっている耳にわざと囁きかける。
そこは性感帯のようで、ビクリと震え更に小さくなった。
「だっ、て♡ ダンデさんのせいで、えっちな気分なっちゃったんだもん♡」
「っ」
このままどうしようかと思案していたダンデが喰らう予想外の反撃。
振り向いた瞳は濡れ、火照った顔から色気が迸る。
「だから…♡ ちょっとだけ♡ これ、貸して♡」
そのまま自分を押し倒し、挙げ句に腹へ乗るナナシ。
相変わらずの軽さに戸惑うダンデそっちのけで、艶かしく動き始めた。
「っく、こらっ、ナナシくん」
一応のストップを掛けるも、ダンデの神経は既に股間へ集中している。
布で刺激を遮られているがなんとも歯痒い。
「っぜったい♡ 一回だけにするから♡ 今だけっ、おちんちんください♡」
「〜〜〜き、みは…!」
あの、達者でマセた口から『おちんちん♡』なんて言葉が出てくるとは。
固まってしまったダンデのズボンから、手慣れた様子で例のモノが取り出される。
「あっ♡ ダンデ、さんの♡ 硬くって熱い、よぉ♡」
「ハッ…そんなに腰を振って。気持ちいいのか?」
「うんっ、うん♡ 気持ちいいっ、気持ちいいですっ♡」
「いやらしい子だ」
もっと淫靡な姿を見たくて、ダンデは彼女の来ているシャツのボタンを外して行った。
ぺらりと薄い素材を開くとナナシの全てが曝け出され、擦り合っているソコもよく目立つ。
血管が浮かぶ男のペニスに、毛も生えていないツルリとした少女の秘部が押し付けられて―――
「っやん♡ ぁ、ダンデさ♡ て、手ぇ繋いで♡ ギュってして♡」
「っ、くそ…ほら!」
ダンデにもセックスの経験はある。だがあまり多くはなかった。
特別良かった記憶はないし、それどころか痛がられた苦い夜もある。
一時期ソッチのテクニックも頑張ってみたが芳しくなく、結果別れてしまったことだって。
「あっ、うれし♡ 嬉しぃ、です♡ ダンデさん、気持ちいいよぉ♡」
ポケモンと違って女の扱いは難しい。かと言って改善に努めるほど抱きたい相手も興味もない。
自慰の方が手軽だし気持ち良いし、きっと自分はセックスに向いていないか下手くその部類なのだろう。
そう結論付ければ身体を重ねたいという欲望は自然と失われて行った。そう思っていたのに。
「っイく、も、イッちゃ、〜〜ぁぁぁん♡」
ナナシがあまりにも幸せそうに啼くものだから。捨て置いたはずのそれは強烈な飢えとなりダンデを襲う。
その感覚は最早“交わりたい”というより“貪りたい”という方が適切だ。
頭の天辺から爪先まで、余すところなく食い尽くしてしまいたい。
「え、ぁ?♡ ダンデ、さん♡ それはダメ、ダメなの♡」
「何がダメなんだ?俺だけお預けか?」
「そ、っじゃなくて♡ あたし、子ども、だからあ♡」
モラル、法律。こうしたものは二の次だ。少なくとも今のダンデにとっては。
つれないことを言うナナシも期待していることが丸わかりである。
「そうだな。男を煽る…わるい子だ!」
「あ、あ…ああ〜〜〜あっ♡」
狭い膣内がうねり、肉棒を奥へ奥へと誘う。油断しているとすぐに射精してしまいそうだ。
奥歯を噛み締めてぎちぎちと中を押し進める。繋いだ手の平が熱い。愛しい。
「い、っちゃう♡ いやあ、またイッちゃうの♡」
「フッどうした、もうイきたくないのか」
「ん、ううんっっ♡ いっしょ、いっしょにイきたいっっ♡」
実際のところ余裕は然程ないのだが、優位に立とうと嫌々首を振るナナシに意地悪く笑いかける。
しかし彼女のセリフにガツンと頭を殴られたような衝撃を受けた。
「ダンデさ、っぁあっ♡ ナナシといっしょに、イっ〜〜〜♡ や、あっっあっ♡♡」
「どこで!そんなことを覚えたんだっ!」
気持ちいいだの、手を繋ぎたいだの、一緒にイきたいだの。
いちいち甘えてくるナナシにいっそ怒りさえ湧いてくる。
誰に仕込まれたのか。他にも知っているのか、この姿を。
「あ〜〜〜♡ ごめ、なさ♡ 好き、ダンデさん、好きぃ、あ、んむぅぅぅ〜♡♡」
重さのないナナシを突き上げるのは簡単だ。何度も何度も好きなように責め立てる。
激しく揺さぶり続けると、ついに好きという単語が鼓膜を震わせ、興奮が最高潮に達した。
「フーッ゛、フーッ゛…はぁっ、ナナシ…♡」
「ん、う〜〜♡ はふ、ぁ…♡」
抱き寄せた彼女の口を塞ぎ呼吸さえも奪う。
苦しそうに、それでも恍惚としたナナシの舌を嬲りながらダンデは精を吐き出した。
「ハァ゛ッ…ハッ……」
こんなに気持ちの良いセックスなんて、かつてあっただろうか。
相手は弟と変わらない年の女の子だというのに―――
「ん…♡ ふふ、疲れちゃった…♡」
「ナナシ…」
胸元で上目遣いにダンデを伺うナナシは、お得意の悪戯っぽい笑みを浮かべている。
恋人同士の情事後に漂うような空気が心地よい。
「このままお昼寝しましょ…?」
語り合いたいと思った。交わしたいと思った。睦言とやらを。
けれど開こうとした口に柔らかく蓋をされ、そのまま瞼や額にまで落とされるキス。
そうして閉じた瞳の向こう側、闇の中に美しい女が現れる。
「おやすみなさい、ダンデさん」
女の唇が優しく言葉を紡ぐ。その瞬間、何故だかダンデは泣きたくなった。
胸を掻きむしりたくなるような言い知れぬ衝動に襲われて、
「よい夢を」
しかしそれも一瞬のこと。
女の腕が作った揺りかごに揺られ、ダンデは穏やかな眠りについたのだった。
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