XXXは知ってるな? 1


「ナックルシティって素敵なお店がいっぱいあるんだね!」
「嬉しいこと言ってくれるじゃん。ナックルはオレさまの庭だからな」

上機嫌なナナシに頬が緩む。
自分のホームを褒められるのも良い気分だ。

「またお買い物行きたいなぁ」

少ない荷物を丁寧に置くナナシはTシャツにジーンズ姿で、いつものエロい制服を着ていない。
どうやら初任給が入ったらしく(どうやって支払われてんだ?)、ショッピングしていたんだとか。

「今度は一緒に行こうぜ?オレさまがコーディネートしてやるよ」

Tシャツジーンズという素っ気ない恰好、オレさまは全然アリだ。
シンプルだから引き立つ部分も多いし、第一それでごちゃごちゃ言う男こそナシでしょ。
ちなみにナナシは胸のせい(おかげ)でTシャツの丈が短くなって腹チラするし、ケツもムチムチ感が増してる。最高。

「キバナくんと一緒?そ、それはダメだよ!」
「やっぱり?(公表するのは抵抗あるか)」
「注目されて、ロケット団だって気付かれちゃうよ!」
「それはない(そっか〜〜)」

いっけね。本音の建前が逆になっちまった。
だってわかるわけないじゃん、そもそもガラルにはロケット団どころか悪の組織が無いんだぜ?
なんでコイツはいつもその辺を忘れてんのかな…。

「あの、だから…キバナくんとはお買い物できないの」

幸い、ナナシはオレがうっかり口を滑らせたことに気付かなかったようだ。
目に見えてションボリしている。そして襟ぐりから谷間が…
その姿オレさまの前以外でするなよ!絶対だからな!

「じゃあロケット団をコトブキ退職してからか〜」
「ガラルだと悪の組織から抜ける時は退職って言うの?」
「さあ…」

できれば“コトブキ”の方を拾ってほしかったぜ。
せっかくネットで見つけたカントーの言葉使ったのに。

「で、何買ってきたんだ?」

一人で唸り始めたナナシの思考を中断させる為に、再度声をかけた。
するとパアッと表情が明るくなり、買ってきた服を披露したいのだと言う。
いいね。オレさまはレディースも見るの好きだし、もちろんオッケー。

ただ、ナナシが手にするショップバッグは見慣れないものだ。
新しいセレクトショップか?ロゴもいまいちピンと来ねえ。

「キバナくんも知らない、秘蔵のお店かもしれないよ!」
「ハハッ、そうかもな。オレさま行く所決まってるし」

マジで知る人ぞ知るマイナーショップだったらオレも行ってみよう。
ワクワクしながらナナシのアクションを待った。